電子レンジの電気代は「ワット(W)」に左右される
何となく電気代が高そうなイメージがある電子レンジですが、実は、意外と電気を消費する家電ではありません。
たとえば、『HITACHI』が提供するスタンダードな電子レンジ「HMR-FT183」の年間消費電力が59.9kWhです。
これは電気代になおすと、年間でおよそ1,617円、月々で約134.8円となる計算です。(電力単価は27円/kWhとして算出。)
イメージしていたよりも安く、驚いた方も多いのではないでしょうか?
とはいえ、節約できるに越したことはありません。このあと電子レンジの電気代の節約方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
(出典:日立グローバルライフソリューションズ| 「電子レンジ)
電子レンジの電気代の計算方法
節約方法の紹介に入る前に、まずは電子レンジの電気代の計算方法を確認しましょう。
電子レンジは冷蔵庫などのほかの家電と異なり、機器ごとの電気代の差がほとんどなく、純粋にワット(500W、600Wなど)と電力単価、使用時間から計算できます。
簡単に計算できるため、普段、自分が電子レンジを使うときにどのくらいの電気代がかかっているのかチェックしてみてください。
キロワット(kW)に変換する
最初に行うのは、ワット(W)からキロワット(kW)への変換です。
自分が温めに使う500W、600Wなどの消費電量(W)を1,000で割り、キロワットに変換します。
500Wなら0.5kW、600Wなら0.6kW、1000Wであれば1kWです。
「1kWh」の単価を知る
次に、契約している電気プランの「1kWh」当たりの電力単価を確認します。
先ほどのHITACHIの「HMR-FT183」の例では電力単価27円/kWhにて計算しましたが、実際には電気料金プランごとに価格が異なります。
電力単価は電気会社の公式サイトや毎月届く請求書から簡単に確認できます。
ちなみに「27円/kWh」という数字は、全国家庭電化製品公正取引協議会が設定した、目安単価と呼ばれるものです。
この数字を大幅に上回っているのであれば、現在契約している電気単価は高い、といえるかもしれません。
実際に計算してみよう
それでは実際に、電子レンジの電気代を計算してみましょう。
計算式は、下の通りです。
「キロワット数(kW)×時間(h)×1kWhの電気代の単価」
たとえば電力単価を27円/kWhと仮定し、500Wで5分間食事を温めたとすると、電気代は次のようになります。
「0.5kW×5(分)/60(分)×27(円/kWh)=1.125(円)」
500Wで5分間温めても、1円ほどしかかかりません。
なお、60(分)で割るのは、「分(minutes)」から「時間(hours)」へ単位を変更するためです。
こんなときいくら?シチュエーション別、電子レンジの電気代
続いて、よくあるシチュエーション別に、電子レンジの電気代をご紹介します。
500Wの場合
まずは500Wで温める場合です。
計算式は「0.5(kWh)×時間(h)×1kWhの電気代の単価」となります。 以下は、いずれも27円/kWhによる計算です。
【コンビニ弁当を4分温める】
「0.5kW×4(分)/60(分)×27(円/kWh)=0.90(円)」
【冷凍ご飯を2分温める】
「0.5kW×2(分)/60(分)×27(円/kWh)=0.45(円)」
【電子レンジ調理のために、10分温め続ける】
「0.5kW×10(分)/60(分)×27(円/kWh)=2.25(円)」
10分連続で使用した場合でも2.25円と、非常に安上がりな結果となりました。これまで電気代が気になって電子レンジ調理に抵抗があった方は、挑戦してみても良いかもしれません。
600Wの場合
同条件で、600Wで温めた場合は以下の通りです。
【コンビニ弁当を4分温める】
「0.6kW×4(分)/60(分)×27(円/kWh)=1.08(円)」
【冷凍ご飯を2分温める】
「0.6kW×2(分)/60(分)×27(円/kWh)=0.54(円)」
【電子レンジ調理のために、10分温め続ける】
「0.6kW×10(分)/60(分)×27(円/kWh)=2.70(円)」
500Wの場合とほとんど差がありません。時々、「電気代が気になるから600Wより500Wを使う」という声を聞きますが、この結果を見るとあまり気にしなくて良さそうです。
電子レンジの電気代を抑えるための方法
最後に、電子レンジの電気代を抑える方法を見ていきましょう。
庫内をできるだけ綺麗に保つ
電子レンジの庫内を小まめに掃除して、できるだけ綺麗に保つようにしましょう。庫内が汚れていると食品を温めるのに時間がかかり、余分な電気代がかかってしまいます。
また場合によっては、発火などのトラブルにもつながりかねません。汚れに気づいたときには、サッと布などで拭き取る習慣をつけましょう。
ターンテーブルなら外側を活用する
フラット式の電子レンジは中央がもっとも温まりやすい場所ですが、ターンテーブル式の場合は外側の方がよく温まります。
電子レンジの方式にあわせて置き場所を工夫すれば効率よく中の物を温められます。
これまで深く考えずに配置していた方はぜひ意識しましょう。
食品同士をくっつけない
たくさんの食品を詰め込んだり、食品同士をくっつけたりしないことも大切です。
食品がくっついた部分は正常に温まりにくくなります。そうすると何度も温めることになり、不要な電気代がかかってしまいます。
また、重なっている部分だけがコゲたりすることもあるため、要注意です。
電気代の高い時間帯の使用を避ける
電力会社と契約しているプランによって、電気単価の高い時間帯がある方は、できるだけその時間の使用を避けるようにしましょう。
たとえば日中の電気代が高いプランの場合、昼間はガスなど電子レンジ以外の調理方法を優先するなど、電気代を使わないよう工夫することで節約できます。
電力会社を切り替える
ここまでご紹介した通り、電子レンジの電気代は年間で2,000円にも及ばないほど安価なものです。そのため節約を心がけても、満足できるほどの成果は得られないかもしれません。
もし現在の電気代に不満があるのなら、電子レンジよりもほかの家電や電気料金プラン自体を見直してみましょう。
目に見えて家庭の電気代を改善したいと考えている方には、特に電力会社の切り替えをおすすめします。
2016年の電力自由化以降、消費者は好きな電力会社や電気料金プランと自由に契約できるようになりました。
現在ではさまざまな電力会社から、「あまり電気を使わないひとり暮らしの方におトクなプラン」や、「4人以上など大人数の家庭で電気代が安くなるプラン」など、多様なプランが提供されています。
多くの場合、インターネットから申し込むだけで手続きが完了します。「なんとなくこれまでと同じ電力会社を使っている」という方は、少し損をしているかもしれません。
20年以上の電力供給実績を誇る『エバーグリーン』では、様々な使い方に応じたプランを提供しています。
電子レンジの電気代に気をつけて、家計を改善しよう
この記事では電子レンジの電気代について、計算方法や節約方法をご紹介しました。
電子レンジの料金はそれほど高くありませんが、小まめな節約は家計の助けとなります。
一方で電気代を大幅に安くしたいなら、電力会社の切り替えなど、電子レンジへの対策以外の部分が重要です。
電力会社の切り替えはとても簡単にできるので、ぜひ検討してみてください。