【目次】
エコ住宅とは
エコ住宅とは、断熱性をはじめとする家の性能を高め、冷暖房などのエネルギー消費を抑えることができる住宅のことです。
一般的には、壁や屋根、窓、床などに断熱材を入れたり、断熱性・気密性の高いドアや窓を使うなどの工夫が施されます。
そうすることで、夏は室外の温かい空気が室内に侵入しにくく、冬には室内の温かい空気が逃げにくくなるため、冷暖房の使用を抑えても快適に過ごせるようになるのです。
エアコンや冷暖房機器の使用を抑えることができれば、二酸化炭素の排出量が削減できます。さらに電気代も安く済むため、家計にもメリットがあります。
エコ住宅の種類
エコ住宅には、いくつか種類があります。
主なものは以下の4つです。
- 長期優良住宅
- 認定低炭素住宅
- ZEH
- LCCМ住宅
それぞれ詳しく解説していきます。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、長く安全・快適に住み続けられるための対策が施された住宅です。国が定めた基準を満たして審査にクリアすれば、長期優良住宅として認められます。
長期優良住宅は一般的な住宅よりも、地震に強い耐震性や環境に配慮した省エネ対策、将来の生活を見越してのバリアフリーなど、長く住み続けられるように工夫されているのが特徴です。
認定低炭素住宅
認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量を抑えられるように建築された住宅です。
認定低炭素住宅に認定されるための条件には、「必須項目」と「選択項目」の2種類があります。
必須項目は、その名の通り、必ず達成する必要がある評価項目です。外皮の熱性能が一定以上あり、一次エネルギー消費量を省エネ法の基準よりも10%以上削減しなければいけません。
選択項目は、決められた8つの項目のうち、2つ以上クリアすることが求められる評価項目です。8つの項目には、節水できる機器(便器や水栓など)を設置することや、太陽光発電システムを設置することなどが含まれています。
ZEH
ZEH(ゼッチ)は、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。
省エネによって消費エネルギーを抑え、また太陽光発電などによって新たにエネルギーを作ることで、年間のエネルギー消費量のプラスマイナスをゼロにすることを目指した家を指します。
省エネ対策としては、断熱材を活用したり、高性能な窓を入れることによって断熱性を高めて、冷暖房の使用量を抑えることなどがあります。また、家で使うエネルギーを最適化するHEMS(ヘムス)という管理システムの利用も効果的です。
LCCМ住宅
LCCMとは「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」の略です。
先ほどご紹介したZEHは、家に住んでいる間のエネルギー収支をゼロにするという考え方ですが、LCCМ住宅はそれに加え、家を建設するときや廃棄するときも含めて、住宅のライフサイクル全体で二酸化炭素の排出を抑え、CO₂収支をマイナスにすることを目指す住宅です。
ZEHの範囲を広げたようなイメージになります。
エコ住宅のメリット
エコ住宅は環境に優しいだけでなく、他にもさまざまなメリットがあります。
ここでは、エコ住宅の主なメリットを5つご紹介します。
光熱費を安く抑えられる
エコ住宅の最大のメリットは、光熱費を安く抑えられることです。
エコ住宅は断熱性や気密性が高く、外気の温度の影響を受けにくいため、冷暖房の使用量を減らせます。
また、太陽光発電などを併用することで、より光熱費を削減でき、場合によってはゼロにすることも可能です。
さらに、もし電力が余れば売って収入を得ることもできます。
寒暖差が少ない
エコ住宅は断熱性と気密性が優れています。そのため、冬は家全体が暖かく、夏は涼しく感じるので、一般的な住宅よりも快適に過ごせます。
また、温度差が大きいときに発生しやすい「ヒートショック」を防ぐ対策としても有効です。
メンテナンスの手間が減る
冬になると室内と室外の温度差で結露が発生し、窓だけでなく壁や床まで水分を含んでしまいます。その水分を放置しておくと、カビ発生の原因になります。
しかしエコ住宅は、断熱性能が高められているので結露が起きにくく、カビの発生を抑えられるのです。
カビが減ると身体への負担が減り、また家の掃除やメンテナンスの手間も減るでしょう。
自然災害に対応できる
自然災害の影響などにより停電すると電気が使えなくなってしまいますが、太陽光発電システムがあれば自家発電できます。
さらに、蓄電池を併用すれば電気がなくてもいつも通りの生活を送ることも可能です。
たとえば、『ダイワハウス』の「全天候型3電池連携システム」では、雨天時でも約10日分の電力と、暖房、給湯を確保することができます。
※2019年2月現在
※水道・ガスが使える場合
※電子レンジ、炊飯器はエネファーム稼働時のみ利用
いざというときに備えられる点もエコ住宅の大きなメリットと言えるでしょう。
補助金が出る
環境に優しいエコ住宅は、条件を満たせば、新築やリフォームをするときに補助金を受けることができます。
また、エコ住宅の種類によっては、所得税や住宅ローンの減税制度もあります。
エコ住宅を新築で建てたり、エコ住宅にリフォームする際に上手く活用すれば、コストを抑えることができるでしょう。
エコ住宅の注意点
エコ住宅にはたくさんのメリットがあることがわかりましたが、いくつか注意点もあります。
ここでは、エコ住宅の2つの注意点を確認しておきましょう。
建設事業者が限定される
エコ住宅の性能を評価する審査の基準は地域によって異なります。
日本は場所によって気候などに違いがあるため、それぞれの特性にあったエコ住宅になるよう、細かく基準が定められています。
断熱材の種類や厚みまで指定があるので、その地域に詳しく、省エネ性の基準をクリアするように考えられる建築士や設計士を見つけなければいけません。
また補助金や減税制度を利用したい場合、制度のことを詳しく知っているハウスメーカーや、金融機関の担当者についてもらうのがおすすめです。
初期費用が高い
エコ住宅は断熱性能を高めるための部材を使ったり、省エネ機器を備えるため、一般的な住宅より設備費や工事費のコストが高く、初期費用が高くなりがちです。
将来的に、補助金や減税、光熱費の節約などの恩恵を受けることができますが、初期費用がある程度かかってしまうため、ハードルが高く感じる人も少なくありません。
エコ住宅で受けられる補助金・減税制度
補助金や減税制度を利用すれば、よりおトクにエコ住宅を建てられるため、上手に活用したいところです。
ここでは、エコ住宅で受けられる補助金や減税制度をご紹介します。
地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業は、長期優良住宅などの省エネ性能や耐久性が高い住宅を新築するときに出る補助金です。
地域型住宅グリーン化事業の補助金額は、以下のとおりです。
住宅の種類 | 補助金額 |
---|---|
認定長期優良住宅 | 上限140万円/戸 |
ZEH・Nearly ZEH | 上限140万円/戸 |
ZEH Oriented | 上限90万円/戸 |
認定低炭素住宅 | 上限90万円/戸 |
(出典:国土交通省|令和4年度地域型住宅グリーン化事業 グループ募集の開始)
さらに上記に加え、主要な構造材の過半に地域材を使った場合などにはさらに補助金が追加される加算枠もあります。
なお、この補助金はあらかじめ国に採択された施工事業者グループによって建築される住宅のみが対象となるため、注意が必要です。
ZEH住宅補助金
ZEH住宅補助金は、ZEHの新築・購入・リフォームに対する補助制度です。
個人を対象にした補助金は3種類あり、すべてZEHビルダーか、プランナーが関与している必要があります。
ZEH住宅補助金の種類は、以下の3つです。
・ZEH支援事業
経済環境省が定めたZEHロードマップにおける「ZEH」の定義を満たしていることが条件。
・次世代ZEH+(注文住宅)実証事業
ZEH支援事業の条件を満たし、さらに以下のどれか1つ以上を導入することが条件。
- 1.
蓄電システム
- 2.
V2H充電設備(充放電設備)
- 3.
燃料電池
- 4.
太陽熱利用温水システム
- 5.
太陽光発電システム10kW以上
・次世代HEMS実証事業
ZEH+実証事業の条件を満たし、蓄電システムまたはV2H充電設備(充放電設備)のどちらかを導入すること。(さらに燃料電池、太陽熱利用温水システムの設備の導入も可)。また、太陽光発電システムによる「創エネルギー」を最大限活用して、自家消費量の拡大を目的に、AIやIoT技術による最適制御を行う仕組みを備えていること。
補助金額は、それぞれ以下のとおりです。
種類 | 補助金額 |
---|---|
ZEH支援事業 | 100万円/戸 |
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業 | 100万円/戸 |
次世代HEMS実証事業 | 112万円/戸 |
(出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|2022年の経済産業省と環境省のZEH補助金について)
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、すでに建てられている家を長期優良住宅にして、安心して長く住めるようにリフォームする場合に補助金が受けられる事業です。
劣化対策や省エネ対策、耐震性を高めるだけでなく、三世帯同居や子育てがしやすくするためのリフォームも対象になります。
リフォームした後の住宅の性能に応じて、補助金は2つに分類されます。
・評価基準型:劣化対策、耐震性、省エネルギー対策が評価基準(※1)に達している
・認定長期優良住宅型:劣化対策、耐震性、省エネルギー対策、維持管理の全てが認定基準(※2)に達している
※1 認定基準には満たないものの、⼀定の性能確保が⾒込まれる⽔準
※2 ⻑期優良住宅(増改築)認定を取得するための基準
補助金額は、以下のとおりです。
種類 | 補助金額 |
---|---|
評価基準型 | 100万円(150万円) |
認定長期優良住宅型 | 200万円(250万円) |
※( )内の金額は「三世代同居対応のリフォーム」、「若者・子育て世帯のリフォーム」、「中古で購入した住宅のリフォーム」を実施する場合、省エネ基準比▲20%とする場合(太陽光発電による発電量は反映しない)
(出典:国土交通省住宅局|令和4年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する説明資料)
低炭素住宅に対する所得税軽減
低炭素住宅に対する所得税軽減は、認定炭素住宅を新築もしくは取得した場合に、一定の条件を満たすことで所得税が控除される制度です。
一般的な住宅にも住宅ローンの所得税減税がありますが、低炭素住宅の場合は最大控除額が増額します。
所得税控除を受けるためには、住宅ローンの返済期間が10年以上、床面積が50㎡以上、合計所得金額が合計で3,000万円以下などの条件を満たしている人が対象です。
控除対象借入限度額と所得税の最大控除額は、以下のとおりです。
▼~令和4年12月31日に入居した方
居住開始年 | 借入限度額 | 控除期間 | 所得税最大控除額(10年間) |
---|---|---|---|
平成24年 | 4,000万円 | 10年間 | 400万円 |
平成25年から平成26年(3月末まで) | 3,000万円 | 10年間 | 300万円 |
平成26年(4月)から令和4年(12月末まで) | 5,000万円 | 10年間 | 500万円 |
▼~令和7年12月31日に入居した方
区分 | 居住開始年 | 借入限度額 | 控除期間 | 所得税最大控除額(10年間) |
---|---|---|---|---|
新築住宅・買取再販 | 令和4年から令和5年まで | 5,000万円 | 13年間 | 455万円 |
新築住宅・買取再販 | 令和6年から令和7年まで | 4,500万円 | 13年間 | 409.5万円 |
既存住宅 | 令和4年から令和7年まで | 3,000万円 | 10年間 | 210万円 |
(出典:国土交通省|認定低炭素住宅に関する特例措置)
長期優良住宅の住宅ローン減税
長期優良住宅を新築で建てた場合、住宅ローンが減税される制度です。
減税を受ける条件は低炭素住宅に対する所得税軽減と同じです。
控除対象借入限度額と所得税の最大控除額は、以下になります。
▼~令和4年12月31日に入居した方
居住開始年 | 借入限度額 | 控除期間 | 最大控除額(10年間) |
---|---|---|---|
平成23年 | 5,000万円 | 10年間 | 600万円 |
平成24年 | 4,000万円 | 10年間 | 400万円 |
平成25年から平成26年(3月末まで) | 3,000万円 | 10年間 | 300万円 |
平成26年(4月)から令和4年(12月末まで) | 5,000万円 | 10年間 | 500万円 |
▼~令和7年12月31日に入居した方
区分 | 居住開始年 | 借入限度額 | 控除期間 | 最大控除額(10年間) |
---|---|---|---|---|
新築住宅・買取再販 | 令和4年から令和5年まで | 5,000万円 | 13年間 | 455万円 |
新築住宅・買取再販 | 令和6年から令和7年まで | 4,500万円 | 13年間 | 409.5万円 |
既存住宅 | 令和4年から令和7年まで | 3,000万円 | 10年間 | 210万円 |
(出典:国土交通省|認定長期優良住宅に関する特例措置)
各自治体で実施されている補助金
国の補助金とは別に、自治体でも独自の補助金制度を行っているところがあります。
エコ住宅を建てる地域の自治体のHPなどを事前に確認してみてください。
ただ、国の補助金と自治体の補助金の両方を利用することはできないので注意が必要です。
家だけでなく、電気も環境にやさしい電力会社を選ぼう
エコ住宅は環境を守るための有効な手段です。ただ、エコ住宅だけが環境保全へのアプローチとは限りません。
たとえば、「環境に優しい電力会社を選ぶ」という方法もあります。
エコ住宅の新築や省エネ住宅へのリフォームはコストがかかり、すぐに取り組むことが難しいかもしれません。
しかし、電力会社の切り替えなら比較的簡単にできます。
まずは環境に優しい電気を選ぶところから始めてみませんか?
エコな電気ならエバーグリーンがおすすめ
2016年の電力自由化により、様々な企業が電力事業に参入してきました。
いわゆる「新電力」のなかには、環境に良い再生可能エネルギーに注目し、エコな電気を届ける努力をしているところがあります。
『エバーグリーン』もそのひとつです。
『エバーグリーン』は、東証プライム市場上場のイーレックスグループの一員。イーレックスグループは、再生可能エネルギーであるバイオマス発電で、国内トップクラスの電力事業者です。
エバーグリーンでは、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。
もっと詳しく知りたい方は、ぜひエバーグリーンの公式ホームページをご覧ください。
環境にも家計にも優しいエコ住宅を検討してみよう
エコ住宅は環境に優しく、また光熱費を抑えられたり、自然災害に備えられるなどのメリットがあります。
一般住宅に比べると初期費用が高くなりがちですが、補助金や減税制度などもあるので、上手に利用すれば費用を抑えることも可能です。
しかし家の購入やリフォームはハードルが高く、簡単にできることではありません。
「環境に配慮したいけど、エコ住宅を建てる余裕はない」という方は、エコな電気を選ぶところから始めてみませんか?
電力会社の切り替えはとても簡単で、すぐに取り組むことができます。
そしてもしよければ、バイオマス発電のトップランナーであるイーレックスグループの『エバーグリーン』を、電力会社の候補のひとつとしてぜひ検討してみてください。
(出典)