ワインセラーは大きく分けて3種類
適温でワインを保存・熟成し、その美味しさを引き上げてくれるアイテム「ワインセラー」。ワインにとって理想的な温度を整えられる便利な道具です。
ワインセラーは冷却方式によって、「ペルチェ式」「コンプレッサー式」「アンモニア熱吸収式」の3つに分類できます。まずはそれぞれの特徴をご紹介します。
ペルチェ式
小型でリーズナブルなワインセラーに多いのが「ペルチェ式」です。
ペルチェ式は、「ペルチェ効果」と呼ばれる現象を利用してワインを適温に保ちます。
運転中の振動が少なく、またワインセラー自体の価格が比較的安い点が特徴として挙げられます。
ただし冷却効率があまり良くないため、電気代が高くなる傾向があるのがデメリットです。
(出典:Panasonic|よくあるご質問 – 冷蔵庫/ワインセラー)
(出典:さくら製作所|ワインセラーにおける『ペルチェ』と『コンプレッサー』の違い)
コンプレッサー式
比較的高価なワインセラーに多いのが「コンプレッサー式」です。
その名の通りコンプレッサーを利用して冷媒を巡らせて、気化熱で冷やしていきます。一般的な冷蔵庫と似たイメージです。
本体の価格は高めなのですが、加熱・冷却の効率が良く、電気代が抑えられるのが特徴です。
ランニングコストを意識するなら、コンプレッサー式の方が優れています。
アンモニア熱吸収式
昔のワインセラーによく見られたのが「アンモニア熱吸収式」です。
冷媒にアンモニアを使用し、冷媒の循環にはヒーターを用いて、コンプレッサー式と同様に気化熱で冷やしていきます。
コンプレッサー式に近い仕組みですが、冷却効率は悪く、電気代もかさみがちな方式です。
ワインセラーの電気代相場
それでは次に、ワインセラーの電気代の相場を見ていきましょう。
ワインセラーの電気代は、以下の計算式で求められます。
定格消費電力(kWh)×電力単価(円/kWh)×24(時間)×365(日)=ワインセラーの1年分の電気代(円)
なお、定格消費電力とは全力で動いているときの消費電力を指しますので、実際にはこの金額より安くなります。特に冷却効率の良いコンプレッサー式はフル稼働する時間も少ないので、より安価になるでしょう。
今回は、現在の主流であるペルチェ式とコンプレッサー式の電気代相場をご紹介します。
条件をできるだけ揃えるために、どちらの方式も対応本数18本のモデルを選び、また電力単価は新電力目安単価の27円に統一しました。
ペルチェ式ワインセラーの電気代相場
まずはペルチェ式のワインセラーです。
ここでは『アイリスオーヤマ』の「PWC-502P-B」というモデルを例に用いましょう。
こちらのワインセラーの定格消費電力は「130W」と公表されています。
これを上記の式に当てはめるために、まずは「W」を「kWh」に変換する必要がありますので、130Wを1,000で割りましょう。
130(W)÷1,000=0.13(kWh)
この0.13(kWh)を先ほどの計算式に入れると、以下の通りです。
0.13(kWh)×27(円/kWh)×24(時間)×365(日)=30,747(円)
1年間で「30,747円」が電気代としてかかるという結果となりました。
(出典:アイリスオーヤマ|ワインセラー PWC-502P-B)
コンプレッサー式ワインセラーの電気代相場
次はコンプレッサー式です。
コンプレッサー式のワインセラーである、『ルフィエール』の「C18SL」は、定格消費電力が「75W」となっています。
先ほどと同じく、まずは75Wを1,000で割ります。
75(W)÷1,000=0.075(kWh)
そしてこの0.075(kWh)を計算式に当てはめましょう。
0.075(kWh)×27(円/kWh)×24(時間)×365(日)=17,739(円)
年間で「17,739円」かかる計算です。
ただし上述の通り、コンプレッサー式はフル稼働する時間が少ないですから、実際はもう少し安くなるでしょう。
ワインセラーの電気代を節約する方法
ワインセラーはワイン好きにとって欠かせないアイテムですが、やはりそれなりに電気代がかかってしまいます。
家計の負担を少しでも減らすために、ここではワインセラーの電気代を節約する方法を見ていきましょう。
小まめに開け閉めしない
今すぐできる節約方法として覚えておきたいのが、「小まめに開け閉めしないようにすること」です。
ワインセラーは冷蔵庫に似たアイテムです。冷蔵庫同様に、何度も開け閉めしていると中の冷たい空気が逃げてしまい、その都度ワインセラーは中の温度を再び冷やすために活発に稼働します。そうすると電力を消費することになるため、電気代がかさみます。
ワインの品質にもあまり良くありませんので、必要のないときは開けない方が無難です。
暑すぎたり寒すぎたりする場所に置かない
ワインセラーは、内外の温度差が大きくなるほど、中の温度を維持するために多くの電力を消費します。
そのため電気代を考えると、夏場にあまり暑い部屋に置かないよう注意するなど、工夫が必要です。
ワインを詰めすぎない
一度にたくさんのワインを詰め込むほど、冷却効率が落ちて消費電力も上がります。
ワインをたくさんお持ちのご家庭もあると思いますが、電気代の観点からは、できるだけ厳選されたワインのみを入れるようにすることをおすすめします。
電力会社を切り替える
上記のような対策も有効ですが、さらに電気代を下げたいのなら、電力単価自体の見直しもおすすめです。電力単価を下げれば、ワインセラー以外も含めた家庭の電気代全体を下げられます。
2016年に始まった電力小売り自由化により、今では自分のライフスタイルに合った電力会社やプランを選べるようになりました。
電力事業に取り組む企業も増え、「ひとり暮らしなら電気代が安くなりやすい」「たくさん電気を使うほど単価が安くなりやすい」など、さまざまなプランが存在します。
たとえば新電力の『エバーグリーン』では、色々なライフスタイルに応じたユニークなプランを取り揃えています。
切り替えも簡単で、WEBから5分で行えます。
一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
ワインセラーの電気代を抑えて、楽しいワインライフを
この記事ではワインセラーの電気代についてご紹介しました。
頻繁に開け閉めをしないなど、上記の節約方法を駆使して、できるだけ電気代を節約できるように取り組みましょう。
電力会社やプランの切り替えによって、自分に合った電気プランに切り替えられるかもしれません。ぜひ検討してみてください。