【目次】
プラスチック問題とは
プラスチックは、加工のしやすさや高い耐久性などの特性から、私たちの生活のさまざまな部分で使われています。
生活に欠かせない存在ですが、今、世界中で「プラスチック問題」が深刻になっています。
「プラスチック問題」とは、その名の通りプラスチックにまつわる問題で、以下のようなものです。
- プラスチックが燃やされるときに温室効果ガスが発生し、地球温暖化の原因のひとつになっている
- プラスチックの原料は、採れる量に限りがある石油資源であり、プラスチックの製造によって資源の枯渇につながる
- 大量のプラスチックが海に流れ出て、海を汚染している
上記3つの中でも、特に近年問題視されているのが、3つ目の「海洋汚染問題」です。
陸上で作られたプラスチックが、河川などを流れて大量に海に流出しています。
その量は毎年800万トン以上といわれ、このペースが続くと、2050年には海のプラスチックの量が魚の量を上回る計算になります。
プラスチック問題が起こる原因
プラスチック問題はなぜここまで深刻になってしまったのでしょうか。
原因のひとつは、プラスチック製品の生産・使用が増え続けたことです。
加工しやすく量産できることから、プラスチックは積極的に生産され、今では私たちの生活に溶け込んでいます。
2016年1月に発表された世界経済フォーラムの報告書によると、世界のプラスチック生産量は1964~2014年の50年間で20倍以上に増えており、さらに今後20年間で倍増すると予想されているのです。
またプラスチック問題が起きる原因には、プラスチックが持つ特性も大きく関係しています。
それは、プラスチックは生ゴミなどとは違い、自然には分解されないということです。
外部からの衝撃などで小さくなることはあっても、完全にはなくならず、なんと数百年も消えずに存在し続けると言われています。
そのため、リサイクル・リユースをせずにゴミとして海などに放出されると、そのまま溜まり続けてしまうのです。
プラスチックごみによる影響
プラスチックごみが海に流れると、海が汚くなるだけでなく、海の生き物やそれを食べる人間などにもさまざまな影響を与えます。
たとえば、海の生き物が浮遊するプラスチックごみを食べ物と勘違いして飲み込む事象が発生していることをご存知でしょうか。
捨てられたプラスチックごみは海の波などで削られ、5ミリ以下になったものは「マイクロプラスチック」と呼ばれています。
そのマイクロプラスチックが魚や鳥の体内から見つかっているのです。
その影響は、魚や鳥だけに留まりません。
この世界は食物連鎖で成り立っており、私たち人間も魚などを食べています。
つまりプラスチックを体内に取り込んだ魚や鳥を食べることで、私たちの体の中にもプラスチックが知らないうちに蓄積されていく危険性があるのです。
さらにプラスチック問題は、漁業や養殖業、観光業など海に関わる仕事をしている人たちにも影響が波及します。
漁獲量が減ったり、プラスチックごみで船舶航行や網の使用に問題が出たりすると、収入が減り、最終的に職を失うかもしれません。
また海の生き物が少なくなったり、景観が損なわれると、海の魅力が減って、観光業に影響することも考えられます。
プラスチック問題への取り組み
プラスチック問題に対しては、日本はもちろん、世界中で取り組みが行われています。
日本での取り組みと世界での取り組みをそれぞれ見ていきましょう。
日本の取り組み
日本の主な取り組みは、以下の2つです。
- プラスチック資源循環戦略
- 海洋プラスチックごみ対策アクションプラン
プラスチック資源循環戦略
プラスチック資源循環戦略は、第四次循環型社会形成推進基本計画において策定されました。
廃プラスチックの有効利用率の低さや海洋汚染などを背景に、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)+Renewable」を基本原則とし、プラスチック資源を循環させることや、プラスチックによる海洋汚染を解決するための戦略がまとめられています。
具体的な戦略の中身は以下のような内容です。
- ワンウェイプラスチックの使用を削減する
- プラスチック資源を、わかりやすく、かつ、効果的に分別回収・リサイクルする
- 可燃ごみ指定袋などに、バイオマスプラスチックを使う
- 海洋汚染が生じないよう、ポイ捨てや不法投棄を撲滅する
また、プラスチック資源循環戦略では下記のような目標を掲げています。
- 2030年までに、ワンウェイプラスチックの排出を累積25%抑制する
- 2030年までに、容器包装の6割をリユース・リサイクルする
- 2030年までに、バイオマスプラスチックを約200万トン導入する
海洋プラスチックごみ対策アクションプラン
海洋プラスチックごみ対策アクションプランは、海洋プラスチックごみ問題に対して、日本が取り組む対策をまとめたものです。
令和元年6月に行われたG20は日本が議長国として開催されました。
そのG20に先駆けて、海洋プラスチックごみ対策アクションプランは同年5月に策定されました。
このプランでは、プラスチックごみの海への流出を抑えるために、下記のような対策を行うと宣言されています。
- 国内の廃プラスチック処理・リサイクル施設の整備を支援する
- 清涼飲料団体に、専用のリサイクルボックスの設置を要請する
- 「海ごみゼロウィーク」を作り、全国一斉清掃を行う
- 自治体が行う海岸漂着物の回収や処理を支援する
- 技術開発やプラスチックに代わる素材の生産設備の整備などを支援する
世界の取り組み
世界では、日本よりも早くプラスチック製品の使用禁止が行われています。
プラスチック製ストローやレジ袋などは禁止され、プラスチックごみが出ないように取り組みが進んでいるのです。
たとえばEUでは、「EUプラスチック戦略」のもと、リサイクルの推進やプラスチックごみの削減、循環経済実現に向けた投資・イノベーションの拡大などに取り組んでいます。
この戦略で、2030年までにEU内のすべてのプラスチック包装材をリユース・リサイクルすることを目指しています。
アメリカの主な取り組みは、プラスチックストロー・マドラーの使用禁止、再生プラスチック比率記載の義務付けなどです。
また、マイクロプラスチックのひとつである「マイクロビーズ」を削減するため、これを含む洗顔料や歯磨き粉の製造・販売が禁止されています。
アジアでの取り組みも盛んです。
中国では廃プラスチックなど固体廃棄物の輸入を2017年末から禁止、タイでは廃プラスチックや電子廃棄物の輸入制限強化などが行われています。
プラスチック問題対策として家庭でできること
プラスチック問題の解決を目指すには、国が行なっている取り組みだけでなく、各家庭でもできることを実践する必要があります。
他人事ではなく、プラスチック問題を自分のこととして捉え、まずはできる限りプラスチックごみを減らすことを心がけましょう。
家庭でできることには、たとえば以下のようなものがあります。
- マイバッグやマイボトル、マイ箸を積極的に使う
- 洗剤やシャンプーは毎回ボトルを買うのではなく、中身を詰め替える
- 食品用ラップをエコラップにする
また、もし外でプラスチックごみを見かけたら、積極的にごみ拾いをしましょう。
一人で取り組む勇気がない場合は、海や街のゴミ拾いボランティアに参加するのもひとつの選択肢です。
エバーグリーンで環境問題対策に貢献
先ほど説明した通り、プラスチックは地球温暖化の原因にもなっています。
海洋汚染と同じく地球温暖化も深刻化しており、防止するために真剣に取り組まねばなりません。
地球温暖化を加速させているのが、温室効果ガスの排出です。
温室効果ガスにはいくつか種類がありますが、中でも大きな割合を占めているのは二酸化炭素です。
二酸化炭素の排出量を抑えるため、今では世界中のいろんな国で対策が行われています。
特に注目されているのが再生可能エネルギーです。
今では再生可能エネルギーを使用したエコな電力会社も登場しており、そのような会社を選ぶだけでも、地球温暖化防止に貢献できます。
エコな電力会社のひとつに、新電力の『エバーグリーン』があります。
エバーグリーンは、国内トップクラスのバイオマス発電事業者であるイーレックスグループの一員です。
電力事業20年以上の豊富な経験があり、電気契約数は20万件を突破しました。
エバーグリーンでは、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。
エバーグリーンへの切り替えで削減できる年間CO₂排出量は、一般的な家庭で1,562kg-CO₂で、これは杉の木約112本が1年間に吸収する量に相当します。
※ 300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
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プラスチック問題を理解して、できることから対策を始めよう
プラスチックごみ問題は深刻化しており、地球にさまざまな影響を及ぼしています。
日本をはじめとして世界各国で対策が行われており、プラスチックごみの削減やリサイクルの促進、プラスチック製品の禁止・有料化などが進んでいます。
プラスチック問題の解決には、私たち個人の意識が重要です。
プラスチックごみが出ないようにマイバッグやマイボトルを使ったり、洗剤やシャンプーを詰め替え可能なものにするだけでも、プラスチック問題の解決に貢献できます。
また、海洋プラスチック問題以外にも、世界にはさまざまな環境問題があり、解決に向けて努力しなければなりません。
家庭でできる地球温暖化対策には、エコな電気を選択するという方法もあります。
同じように電気を使うなら、エコな電気を選びませんか?
エバーグリーンの電気プランは、電気を使っているだけでも、それによるCO₂排出量がゼロになるというお手軽な地球貢献です。
ぜひこの機会にご検討ください。
(出典)
- 横浜市|プラスチック問題とは
- WWFジャパン|海洋プラスチック問題について
- NHK就活応援ニュースゼミ|1からわかる!プラスチックごみ問題(1)
- 環境省|環境省におけるターゲット領域に係る検討
- 環境省|プラスチック資源循環戦略の概要
- 環境省|海洋プラスチックごみ対策アクションプランの概要
- 環境省|プラスチックを取り巻く国内外の状況
- EU MAG|循環型経済に向けたEU初のプラスチック戦略
- 一般財団法人 地球人間環境フォーラム|特集/海を汚染するマイクロプラスチックの脅威~海洋ごみの現状と対策~世界的に進むマイクロビーズ規制
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