バイオマス発電のメリットとは?仕組みや特徴をわかりやすく解説

ライフスタイル
2021年7月30日

最近よく耳にするようになってきた「バイオマス発電」ですが、どんな発電方法なのか、またどんなメリットがあるのかご存知でしょうか?今回はバイオマス発電の仕組みや特徴をご紹介します。

目次

バイオマス発電は、自然の中で生まれた資源である「バイオマス」を使って電気を作る発電方法です。

たとえばバイオマスには以下のようなものがあります。

  • 木くず
  • 間伐材
  • 生ごみ
  • 動物のふん尿
  • さとうきび

この発電方法は、動植物によって生成された再生可能な燃料を使用するため、通常の火力発電などと違い、化石燃料のような有限な物質を消費しないことが特徴です。

日本のバイオマス発電の割合は、2023年時点で全体の5.7%とそれほど多くないものの、1.9%だった2016年と比較すると、3倍ほど増えています。

【関連記事】バイオマスとは?種類や特徴をわかりやすく解説

バイオマス発電はどのような仕組みになっているのでしょうか。

「バイオマス発電」と一言でいっても、発電方法には種類があります。

ここでは、バイオマス発電の種類とそれぞれの仕組みを確認しましょう。

直接燃焼方式

直接燃焼方式は、資源を直接ボイラで燃焼し、蒸気タービンに燃焼時に発生した水蒸気を送って電気を発電する方式のことです。

直接燃焼での発電は、さらに「混焼方式」と「専焼方式」の二つに分かれます。

混焼方式
バイオマスと石炭などを同時に燃焼させる方式です。

専焼方式
バイオマスのみを専用のボイラで燃焼させる方式です。

ガス化方式

ガス化方式は、「熱分解ガス化を活用した発電」と「メタン発酵を活用した発電」の2つがあります。

熱分解ガス化を活用した発電
木質系のバイオマスなどを前処理し、ガス化炉に入れて資源をガス化します。そのガスを使って発電する方式です。

メタン発酵を活用した発電
有機物を微生物の「嫌気性発酵」(※)を使って分解し、その過程で発生したCH4(メタン)などの物質を使い発電する方式です。

※微生物の働きで有機物を分解する方法。高分子の有機物がメタンガスや二酸化炭素などに分解される。

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バイオマス発電の割合が近年増えているのは、この発電方法にメリットがたくさんあるからです。

ここではバイオマス発電の主なメリットを3つご紹介します。

  • 発電量の安定性が高い
  • 本来は捨てるはずの廃棄物を有効活用できる
  • CO₂の増減が実質ゼロになる

発電量の安定性が高い

太陽光発電や風力発電も再生可能エネルギーを使用したエコな発電方法ですが、これらは天候などによって発電量が左右されてしまいます。

しかしバイオマス発電の場合、燃料さえ用意できれば安定的に発電が可能です。

発電量をコントロールしやすいため、再生可能エネルギーの中でも注目を集めています。

【関連記事】太陽光発電のデメリットとは?メリットとあわせて解説

本来は捨てるはずの廃棄物を有効活用できる

バイオマス発電の燃料に使われる資源には、木くずや生ごみなど、そのままにすると廃棄せざるを得ないものが含まれています。

そのような廃棄物を燃料として使うことで、廃棄コストを軽減できるうえ、新たに電気を作ることができ、一石二鳥です。

CO₂の増減が実質ゼロになる

3つ目のメリットは、CO₂の増減が実質ゼロになることです。

バイオマス発電で資源を燃やすときにはCO₂が発生しますが、そのCO₂は資源となった植物が成長する間に吸収したものです。

つまり、実質的にはCO₂の発生量は±0ということになります。

この考え方のことを「カーボンニュートラル」といいます。

【関連記事】カーボンニュートラルとは?わかりやすく解説

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今回は、バイオマス発電の仕組みや特徴、メリットなどをご紹介しました。

バイオマス発電は、安定した発電やカーボンニュートラルな地球に優しい発電方法として、とても注目を集めています。

環境問題を解決するための手段のひとつとして、今後も目が離せません。

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