【目次】
オゾン層とは
オゾン層とは、酸素原子3個からなる気体の「オゾン」が、成層圏と呼ばれる約10~50㎞までの上空に集まってできている層のことです。
大気中のオゾンの90%が成層圏に存在していて、その中でも特にオゾンが多い層が「オゾン層」と呼ばれています。
90%と聞くとかなり多いように感じますが、仮に上空に存在するオゾンを地上に集めて0℃に換算すると、約3mmほどの厚さにしかなりません。
オゾン層の役割
オゾン層には、人間や動植物にとって有害な紫外線を吸収する役割があります。
紫外線は太陽から放出される電磁波のひとつです。
紫外線にはいくつか種類がありますが、なかには生物に悪影響を及ぼす有害なものが含まれています。
その有害な紫外線をオゾン層が吸収し、地上に届く量を少なくしてくれているのです。
オゾン層破壊の主な原因は「フロン」
本来なら、オゾンが常に分解や生成を繰り返すことで、オゾン層は一定のバランスが保たれています。
しかしフロンなどの化学物質が主な原因で、保たれていたバランスが崩れる現象が見られるようになりました。
フロンは人間が生み出した物質で、自然界には存在しません。
1928年に開発されて以来、冷蔵庫やエアコンの冷媒として広く使われていました。
便利な物質である一方で、空気中に出されると成層圏にまで到達して、オゾン層を破壊してしまうという問題があります。
フロンだけが原因ではありませんが、フロンなどの化学物質がオゾンの分解と生成のバランスを崩し、オゾン層が破壊されはじめたのです。
オゾン層破壊の現状
オゾン層の量を地球全体で見ると、熱帯域を除いて長期的に減少傾向が続いています。
1980年代から1990年前半にかけて地球規模で大きく減少した後、1990年代後半以降はわずかな増加が見られます。
しかし、1979年と比べると、2010年には平均で約2.1%オゾンの量が減少しています。
特に南極域の上空でのオゾンの減少が激しく、毎年8~12月頃にオゾンの量が極端に減少しています。
極端に減ることで、南極上空のオゾン層に穴が開いたように見えることから、この現象は「オゾンホール」と呼ばれています。
オゾンホールは、オゾン層の破壊が進むにつれて大きく現れるようになりました。
1980年代~1990年半ばにかけて急激に大きくなり、それ以降もほぼ毎年規模が大きくなっているのが現状です。
オゾン層が破壊された場合に何が起こる?
先ほど紹介した通り、オゾン層には有害な紫外線を吸収してくれる役割があります。
そのためオゾン層が破壊されてしまうと、地上に降り注ぐ紫外線の量が増えてしまい、地球上の生物が悪影響を受けるリスクが大きくなるのです。
紫外線が人体に与える影響としては、皮膚がんや白内障などの病気の発症、免疫機能の低下などがあります。
また、動植物の成長をさまたげたり、プラスチックが劣化するなど、人間以外にも悪影響を及ぼします。
オゾン層保護のために行われている取り組み
前述の通り、オゾン層は世界的に減少傾向が続いているため、オゾン層保護は世界全体の課題となっています。
ここでは、オゾン層保護のために行っている国際的な取り組みと、国内の法律をそれぞれ見ていきましょう。
オゾン層の保護のためのウィーン条約
「オゾン層の保護のためのウィーン条約」は、1985年3月に国連環境計画(UNEP)が中心として定められた条約です。
この条約では、締約国がオゾン層を保護する取り組みとして、以下の3つが求められています。
- オゾン層の変化により生ずる悪影響から人の健康および環境を保護するために適当な措置をとること
- オゾン層保護のための研究および組織的観測などに協力すること
- 法律や科学および技術などに関する情報を交換すること
オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書
1987年9月に採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」は、ウィーン条約に基づいて、オゾン層を破壊する物質に対する具体的な規制内容を定めたものです。
5種類の特定フロンと、3種類の特定ハロンの生産量を削減することが合意されました。
それぞれの物質ごとに決められた削減スケジュールに従って、生産量および消費量を段階的に減らし、最終的には全廃するとともに、非締約国への輸出入の禁止や制限などが定められています。
オゾン層保護法
日本では、ウィーン条約とモントリオール議定書に加え、1988年に国内法として「オゾン層保護法」が制定されています。
主な規定は以下の4つです。
- 特定物質の生産量および消費量の基準限度など、オゾン層保護に関する基本的事項を公表する
- 特定物質の製造数量などを規制する
- 特定物質の使用事業者による排出抑制・使用合理化を行う
- オゾン層および大気中の特定物質の濃度状況の観測および監視をする
この法律では、モントリオール議定書で規制の対象とされている物質が、特定物質として指定されています。
フロン回収・破壊法
オゾン層保護法により、現在はオゾン層を破壊する主な物質の生産が全廃されています。
ただ、すでにエアコンや冷蔵庫の冷媒に使われているフロンは存在しており、各機器を廃棄するときなどに、大気中に放出するのを防ぐ必要があります。
そこで、「フロン回収・破壊法」という法律が2001年に制定されました。
この法律では、機器を廃棄する時にフロンを適正に回収・破壊することなどが義務づけられています。
エコな電気に切り替えるだけでも環境問題の解決に貢献できる
オゾン層の破壊は、人間や動植物に悪影響を及ぼす大きな問題です。
先ほど紹介した法律などにより、世界全体で解決に取り組んでいるものの、これからも継続して注視する必要があるでしょう。
オゾン層の破壊以外にも、地球温暖化をはじめ、私たちはたくさんの環境問題を抱えています。
これらの問題は一部の人の努力だけで解決することは難しく、一人ひとりの意識や行動が必要です。
個人でもできることはたくさんあります。
たとえば地球温暖化を防止する方法として、再生可能エネルギーを使用した電力会社に切り替えることも選択肢のひとつです。
再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・バイオマスなどのエネルギーを指します。
地球温暖化の原因である温室効果ガスを排出せず(もしくは増加させず)に発電でき、資源が枯渇しないことから、世界中で注目されているエネルギーです。
今ではさまざまな電力会社があり、積極的に再生可能エネルギーを扱っている会社も登場しています。
そのような会社に切り替えるだけでも、温室効果ガス削減に貢献できるでしょう。
地球に優しい電気なら『エバーグリーン』がおすすめ
地球に優しい電気への切り替えを検討しているなら、新電力の『エバーグリーン』をおすすめします。
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エバーグリーンへの切り替えで削減できる年間CO₂排出量は、一般的な家庭で1,562kg-CO₂です。これは杉の木約112本が1年間に吸収する量に相当します。
※ 300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
エバーグリーンについてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ一度公式ホームページをご覧ください。
オゾン層保護のために地球に優しい取り組みを
オゾン層には有害な紫外線を吸収する役割があります。
そのオゾン層が破壊されると、地上に届く紫外線の量が増え、皮膚がんなどの病気のリスクが高まります。
オゾン層破壊に対しては、モントリオール議定書などで世界全体で解決を目指しており、今後も継続して取り組む必要があるでしょう。
環境問題への取り組みは、私たち個人でもできます。
再生可能エネルギーを使った電気を選ぶことは、そのひとつです。
ぜひこの機会にエバーグリーンを検討してみてください。
(出典)