SDGsの目標15ってなに?世界の現状や私たちができる取り組みを解説

ライフスタイル
2021年9月30日

持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みが、世界中で行われています。SDGsには17の目標がありますが、目標15「陸の豊かさも守ろう」は、陸上にある森林や生物に関するものです。この記事では、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」の中身についてご紹介します。

目次

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語に直すと「持続可能な開発目標」という意味です。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として、地球が抱える様々な課題を解決するために、2015年の国連サミットで採択されました。

SDGsは、地球上の「誰一人取り残さない」ことを原則とし、17の目標と169のターゲットで構成されています。

先進国や途上国を問わず、参加するすべての国の人が対象です。

日本では、2016年に「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が設置され、SDGsへの取り組みが推進されているところです。

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SDGsには17の大きな目標がありますが、生態系や生物の多様性を守るために重要なのが、目標15の「陸の豊かさも守ろう」です。

世界では、鳥類14%、針葉樹34%、哺乳類25%、両生類41%が絶滅の危機にさらされていると推定されています。

目標15「陸の豊かさも守ろう」は、そのような問題をはじめ、陸上における生態系を持続可能な状態にするための目標です。

具体的には、以下のターゲットが設定されています。

15-1 2020年までに国際的な協定にしたがって、森林、湿地、山地、乾燥地など陸上の生態系と、内陸の淡水地域の生態系、および、それらがもたらす自然の恵みを、守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。
15-2 2020年までに、あらゆる種類の森林の、持続可能な形の管理をすすめ、森林の減少をくいとめる。また、おとろえてしまった森林を回復させ、世界全体で植林を大きく増やす。
15-3 2030年までに、砂漠化に対応し、砂漠化、干ばつ、洪水の影響を受けておとろえてしまった土地と土壌を回復させ、これ以上土地をおとろえさせない世界になるように努力する。
15-4 2030年までに、持続可能な開発のために欠かせない山地の生態系の能力を強めるため、多様な生物が生きられる山地の生態系を確実に守る。
15-5 自然の生息地がおとろえることをおさえ、生物の多様性が損なわれないようにし、2020年までに、絶滅が心配されている生物を保護し、絶滅を防ぐため、緊急に対策をとる。
15-6 国際的に決められたとおり、遺伝資源※を使って得る利益が公正で公平に分けられるようにする。また、遺伝資源を適切に使うことができるようにする。
15-7 保護しなければならない動植物の密猟や、法律に反した取り引きをなくすために、緊急の対策をとる。法律に反する野生生物の製品が求められたり、売られたりすることがないようにする。
15-8 2020年までに、移動先に定着する外来種※の侵入を防ぐとともに、外来種が陸や海の生態系に与える影響を大きく減らすための対策をはじめる。特に優先度の高い外来種は駆除する。
15-9 2020年までに、生態系や生物の多様性を守ることの大切さを、国や地方による計画や開発のプロセス、貧困をなくすための取り組みやお金の使い方に組み入れて考えられるようにする。
15-a 生物の多様性や生態系を守ること、それらを持続可能な形で利用していけるようにするために、あらゆるところから資金を集め、より多くのお金が使えるようにする。
15-b 森林の保護や再植林をふくめて、持続可能な森林の管理を進めるために、あらゆるところからお金を集め、開発途上国が持続可能な森林の管理を進めようと思えるように十分な資金が使えるようにする。
15-c 持続可能な形で収入を得られるように、コミュニティの能力を高めるなどの取り組みを進め、保護しなければならない動植物の密猟や法律に反した野生生物の取り引きをやめさせるために、国際的な支援を強化する。

※遺伝資源:植物、動物、微生物などで、産業や研究などに利用できるまたは利用できる可能性がある遺伝的な情報をもつもの

※外来種:もともとその土地で生育していなかった動植物

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目標15「陸の豊かさも守ろう」に対する現状で、大きな問題となっているのが、森林の減少です。

2015年時点で、世界の森林面積は39.99億ヘクタール(全陸地面積の30.6%)を占めています。

しかし、1990年は41.28億ヘクタール(全陸地面積の31.6%)でした。

1990年から2015年の25年間で1.29億ヘクタールも減っており、これは南アフリカの国土面積と同等の広さです。

特に減少面積が大きいのが、南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林です。

また、世界には絶滅の恐れがあるとされる「絶滅危惧種」が、2020年時点で3万5,765種以上いるとされています。

これは生物全体の約29%を占め、多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しているということです。

【関連記事】絶滅危惧種が増える原因は?個人で出来る対策は?

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森林減少や野生生物が絶滅の危機にさらされていることを踏まえ、世界各国では目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するために、様々な取り組みが行われています。

ここでは、目標15「陸の豊かさも守ろう」に関連する世界や日本の取り組み事例をいくつかご紹介します。

世界の取り組み

ワシントン条約はSDGs目標15に大きく関連しています。

この条約は、絶滅が危惧される野生動植物を保護するために、1975年7月1日に発効されました。

2018年9月末時点で、加盟国は182ヵ国です。

ワシントン条約では、絶滅のおそれのある動植物を程度に応じて3つのグループに分け、国同士の取り引きをそれぞれ規制しています。

SDGsが採択される前から存在している条約ですが、野生の動物や植物を保護する国際的な取り決めとして、SDGs目標15の達成と大きく関わりがあります。

もう少し具体的な取り組みも見ていきましょう。

SDGsに関する行動は世界各国で行われていますが、その中でも特に目標の達成度が高いのが、北欧諸国です。

たとえばデンマークでは、再生可能エネルギーのみを使用し、雨水・建設資材などはリサイクルを行って、100%持続可能な村を創るというプロジェクト「UN17 Village」を進めています。

また、レゴブロックで有名なデンマークのおもちゃメーカー『LEGO』は、サステナブルな素材を使った商品の販売を開始しており、さらに2030年までにレゴブロックの素材をサステナブルなものに替えることを発表しています。

素材の再利用や再生可能エネルギーの利用を積極的に進めるこれらの活動は、森林資源の大量伐採や砂漠化の要因になっている地球温暖化を抑制することに繋がります。

日本の取り組み

環境省は2014年に、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を策定しました。

これは、日本に生息する絶滅危惧種の保全を全国的に推進することを目的として作られたものです。

絶滅危惧種の保全に関する基本的な考え方や取り組むべき施策などを示しています。

SDGs目標15への取り組みは、企業や団体でも実施されています。

たとえば公益財団法人『イオン環境財団』は、持続可能な地域の実現を目指し、各行政、学校、研究機関等と連携しながら、「イオンの里山」づくりに取り組んでいる団体です。

「イオンの里山」づくりは、里山の保全・維持・管理や植樹を含む里山の修復などをテーマに活動している取り組みです。

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人間の暮らしは山や森林などの自然の恵みに支えられており、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」は、私たちにとって重要なものです。

国や企業の取り組みに任せるのではなく、個人一人ひとりも、できることに取り組まなければなりません。

そこでここでは、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するために、私たち個人でできることをご紹介します。

FSCマークのついた製品を選ぶ

1つ目は、FSCマークのついた製品を選ぶことです。

森林の問題を解決するために、1994年に『FSC』という団体が設立されました。

FSCは、適切に管理された森林から作られた製品かどうかという観点で審査を行い、認証した製品に対してFSCマークを与えています。

FSCの認証は10の原則と70の基準に基づいて行われ、その基準には「森で働く人々が安心して働ける環境か」など、自然そのものの保護だけでなく、労働環境や経済面についても評価しているのが特徴です。

FSCマークのついた製品を選ぶことで、私たち個人も森林保全に貢献することができます。

ゴミを減らす

SDGs目標15の達成には、ゴミを減らすことも重要です。

ゴミを燃やすときには、大量の二酸化炭素が発生します。

大気中の二酸化炭素が増加すると地球温暖化の原因となり、地球上の動物や植物の生態系に大きな影響を及ぼします。

ゴミを減らすための行動はたくさんありますが、たとえば使い捨て商品を避けることもそのひとつです。

割り箸を使わずにマイ箸を持ち歩くなど、再利用できるものを活用してゴミが出ないように心がけましょう。

また、買い物をしたときにレジ袋をもらわないことも大切です。

レジ袋は1度の使用でそのままゴミとして捨てられてしまうことも多く、地球環境に負荷を与えるものとして問題視されています。

マイバッグを携帯し、できるだけレジ袋を使わないようにしましょう。

【関連記事】地球温暖化の原因は?温暖化が起きる仕組みや対策も紹介

植林活動に参加する

学校や自治体などが行っている植林活動に参加するのも良い行動でしょう。

植林活動に参加することで、直接自分の手で環境保全に貢献できます。

近くに植林活動の取り組みが行われていないか、ぜひチェックしてみてください。

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目標15をはじめ、SDGsの17の目標を達成するためには、私たち一人ひとりの取り組みが大切です。

先ほど紹介したことをはじめ、SDGsの達成に貢献できる方法はたくさんあります。

そのひとつが、環境に配慮したエコな電気を選ぶことです。

現在、二酸化炭素の排出量が世界全体で増え、地球温暖化の大きな原因となっています。

二酸化炭素はさまざまところから排出されますが、日本の家庭から出る二酸化炭素のうち、半分近くが電力の使用によるものです。

そのためエコな電気を使うことは、地球温暖化を防止する上でとても大きな意味があります。

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エバーグリーンは、東証プライム市場上場で国内トップクラスのバイオマス事業者であるイーレックスグループの一員です。

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SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を達成するためには、私たち一人ひとりができることに取り組んでいくことが大切です。

買い物をするときには森を守るFSCマークの製品を選ぶようにしたり、使い捨てのものは避けてゴミを減らしたりと、私たちにできる取り組みはたくさんあります。

また、学校や地域が行っている植林活動にも参加し、実際に自然や生物に触れてみることで、環境問題に関する知識を深めることもできるでしょう。

エコな電気を選ぶことも、環境問題の解決につながります。

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(出典:外務省|SDGsとは?)
(出典:外務省|ワシントン条約)
(出典:首相官邸|持続可能な開発目標(SDGs)推進本部)
(出典:日本ユニセフ協会|15.陸の豊かさも守ろう)
(出典:WFFジャパン|絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」について)
(出典:千葉商科大学|2020年SDGsの歩みは順調? 世界のSDGs達成状況と取組事例)
(出典:環境省|「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」の策定について(お知らせ))
(出典:イオン環境財団|第31回イオン環境活動助成公募のご案内)
(出典:FSCジャパン|森を守るFSCマークとは)
(出典:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター|4-6 家庭からの二酸化炭素排出量(2019年度))

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