エネルギーミックスとは?言葉の意味や日本の現状などを紹介

ライフスタイル
2021年10月28日

この記事では、エネルギーミックスについて解説します。エネルギーミックスの意味や日本の現状、エネルギーミックスに関する取り組みについて、わかりやすく紹介していきます。

目次

エネルギーミックスとは、火力、原子力、再生可能エネルギーなど、さまざまな方法を組み合わせて発電することを意味します。

それぞれの発電方法には、長所もあれば短所もあります。

1つのエネルギー源に依存すると、その短所が際立ってしまい、電気の安定供給に支障を生じることになりかねません。

複数の発電方法を組み合わせ、それぞれの短所を補ったうえで、電気を供給することが大切なのです。

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エネルギーミックスには「3E+S」と呼ばれる基本方針があります。

3Eとは、Energy Security(安定供給)、Economic Efficiency(経済性)、Environment(環境)の頭文字です。

SはSafety(安全)の頭文字です。

エネルギーミックスにより、この4項目を同時に達成することを目標としています。

Energy Security(安定供給)

日本のエネルギーの安定供給において鍵となるのは、エネルギーの自給率向上と、エネルギー源の輸入先の多様化です。

日本は石油や石炭、天然ガスなどのエネルギー資源に乏しいことから、そのほとんどを海外からの輸入に依存しています。

日本のエネルギー自給率は、他の先進国に比べ低い水準となっています。

エネルギー源を輸入にばかり依存していると、国際情勢の変化に左右され、安定的に発電資源を確保できなくなる恐れがあります。

また、エネルギー源の輸入先を特定の地域に偏らないようにすることも重要です。

調達先を分散させることで、国際情勢の変化に左右されるリスクを軽減することができます。

Economic Efficiency(経済性)

電気は、日々の暮らしや仕事を支える重要なライフラインです。

われわれの生活は、電気がなくては成り立たないと言っても過言ではありません。

それゆえに、電気は安価で誰でも利用できることが重要になります。

コストのかかる方法のみを採用して発電すると、電気料金が高騰してしまいます。

経済効率性を考えて発電をすることが、とても重要になってくるのです。

Environment(環境)

発電においては、環境への負荷軽減についても考えなくてはなりません。

特に火力発電は、地球温暖化の原因となるCO₂を大量に排出します。

このCO₂の排出抑制は、世界全体の喫緊の課題となっています。

2015年に採択されたパリ協定では、世界共通の長期目標として、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが合意されました。

そしてそのために、世界の多くの国が「2050年カーボンニュートラル」の実現を掲げています。

カーボンニュートラルとは、人為的なCO₂排出量と森林などによるCO₂吸収量を差し引いてゼロとすることです。

カーボンニュートラルの実現のためには、火力発電の割合を小さくして、CO₂排出が少ないクリーンエネルギーなどの比率を高める必要があります。

Safety(安全)

エネルギーミックスによる発電においては、安全性の確保が大前提となります。

特に日本は、2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を経験しています。

安全性あってこその3Eの実現であり、その確保はエネルギー政策の前提条件となります。

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エネルギーミックスにおいて重要な、エネルギー源ごとの主な長所・短所は、次の通りです。

エネルギー源 長所 短所
火力 ・安定的に大量の発電が可能で、昼夜を問わず継続的に発電できる
・(石油)燃料の運搬、貯蔵が容易
・(石炭)埋蔵量が豊富で安定的に調達可能
・CO₂排出量が多い
・資源の埋蔵量に限りがある
・国際情勢の変化に左右され、安定的に発電資源を確保できなくなる恐れがある(特に石油)
原子力 ・安定的に大量の発電が可能
・運転コストが安い
・発電時にCO₂を排出しない
事故が起こった際のリスクが甚大で、安全対策の徹底が必要
水力 ・エネルギーを電力に換える効率が高い
・発電所を長期間稼働させることができる
・発電時にCO₂を排出しない
・ダム建設などで集落が水没する可能性などがあり、発電所建設に地域住民のコンセンサスを取ることが必要
・発電所建設にコストがかかる
風力 ・海で囲まれた日本では洋上発電のポテンシャルは高い
・夜間も稼働できる
・発電時にCO₂を排出しない
・発電コストが高止まっている
・導入できる場所が限られている
太陽光 ・設置する地域に制限がなく、屋根や壁などの未利用スペースに設置できる
・送電設備のない遠隔地の電源として活用でき、災害時の非常用電源としても期待される
・発電時にCO₂を排出しない
・下がってはいるが、普及させるには導入コストがまだ高い
・日照時間など気象条件により発電出力が左右される
バイオマス ・未利用の廃棄物を燃料とするので、循環型社会の構築に大きく寄与する
・バイオマス資源を燃料とするので、大気中のCO₂を増加させないものとみなされる
資源が広い地域に分散しており、収集・運搬・管理コストが高い
地熱 ・火山の多い日本に適している
・​​発電に使う高温の蒸気や熱水を地域の暖房などに再利用可能
・昼夜を問わず安定した発電ができる
・導入コストが高い
・施設規模の割に発電量が小さい
・山中や温泉地に発電所が建設されるので、地域との調整が必要

火力発電は安定的に大量の発電ができるのが大きなメリットです。

しかし、CO₂排出量が多い、資源に限りがある、輸入が国際情勢により左右されるなどのデメリットがあります。

原子力発電と、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーは、発電時にCO₂を排出しない(または増加させない)のが共通の長所です。

一方、原子力発電は事故時のリスクが大きい、太陽光発電は気象に左右されるなど、それぞれ短所を持っています。

再生可能エネルギーについては、こちらの「再生可能エネルギーにはどんな種類があるの?それぞれの特徴を知ろう」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

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日本のエネルギーミックスはどのようになっているのでしょうか。

2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、日本の電源構成に変化が見られました。

原発の停止に伴い、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)への依存が大きくなったのです。

化石燃料への依存が拡大

震災前の2010年時点で、発電に占める原子力の割合は25.1%でした。

しかし、震災後は原子力の割合が急減しています。

原発の稼働再開により、2015年以降発電量は増えていますが、それでも2018年時点では全体の6.2%にとどまっています。

これに対し石油、石炭、LNGの化石燃料の合計は、2010年は65.4%だったのが、2018年は77.0%と、全体の4分の3以上を占めるまでになっています。

化石燃料については、こちらの「化石燃料とは?名前の由来から問題点までわかりやすく紹介」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

自給率の低下

輸入に頼っている化石燃料への依存が拡大したのに伴い、エネルギー自給率も低下しています。

2010年に20.3%だったのが、2014年には6.4%まで落ち込みました。

2018年現在で11.8%まで回復しましたが、それでもオーストラリア(320.0%)やカナダ(175.8%)、米国(97.7%)など、他の先進国に大きく水をあけられています。

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そんな中で日本政府は、脱炭素社会の実現に向け、火力発電の割合を減らし、代わりに再生可能エネルギーの主力電源化を進める目標を立てています。

世界でも、持続可能な開発目標(SDGs)でクリーンエネルギーの確保をうたっています。

2030年に向けた日本の目標

2021年10月に、経済産業省より示された「第6次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの比率を2030年度には36~38%に引き上げる考えとなっています。

現在の18%程度から比べると約2倍に相当し、2015年に策定した現行の目標値(22~24%)からも大きく上方修正しています。

また、2015年度の現行目標にはない「水素・アンモニア発電」についても、1%を占めるまでに発展させることを見込んでいます。

一方、現在主力の火力発電は76%程度から41%に大きく下げる姿勢を示しました。

内訳は、LNGを現在の37%から20%に、石炭を32%から19%に、そして石油を7%から2%まで減らす目標です。

原子力は現行目標の20~22%を維持する考えです。

しかし「可能な限り原発依存度を低減する」としています。

世界の取り組み

SDGsの17の世界的目標のうち、目標7は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」です。

太陽光や風力、バイオマスなどのクリーンなエネルギー源に投資し、2030年までに世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させることをうたっています。

SDGsの目標7については、こちらの「SDGsの目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」とは?現状や私たちにできることを解説」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

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日本では、2011年の東日本大震災以降、原子力発電を停止して火力発電の割合が増えたことにより、発電コストが上昇しています。

それに伴い電気料金も値上がり傾向が続きました。

一方、2016年4月1日以降、電力小売業への参入が全面自由化され、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。

その一つが、新電力『エバーグリーン』です。

エバーグリーンは、東証プライム市場上場の老舗の新電力会社・イーレックスグループの一員です。

イーレックスは、国内トップクラスのバイオマス発電事業者として、エコな電気の供給に貢献してきました。

エバーグリーンでは、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。

エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。

エバーグリーンへの切り替えで削減できる年間CO₂排出量は、一般的な家庭で1,562kg-CO₂です。

これは杉の木約112本が1年間に吸収する量に相当します。

※ 300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)

まさにエネルギーミックスの基本方針「3E+S」を実践するプランです。

エバーグリーンにもう少し詳しく知りたい方は、ぜひ一度ホームページをご覧ください。

エバーグリーンのホームページはこちら >>

人間には、その人それぞれに長所と短所があります。

エネルギーも同じです。

それぞれメリット、デメリットを考えて組み合わせることで、需要増減に対応したり、エネルギー不足を回避したり、経済効率性を実現したりすることができるのです。

エネルギーのベストミックスによりCO₂の排出を抑え、持続可能な社会を目指すことが求められています。

エバーグリーンのホームページはこちら >>

(出典)

エバーグリーンは
環境に配慮した電気を
供給することで
皆さまの暮らしを支えます

  • Point
    1

    CO₂排出量が実質ゼロの電気

    実は、家庭から排出されるCO₂の約半数は電気の使用によるもの。エバーグリーンの電気をご利用いただくと、これを実質ゼロに抑えることができます!

  • Point
    2

    安心・安全の供給体制

    エバーグリーンは、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるイーレックスと、東京電力エナジーパトナーの共同出資により創設した企業です!

  • Point
    3

    充実のサポート体制

    電気のトラブル時に迅速に駆け付ける「でんきレスキュー」 サービスなど、万が一の際もご安心いただけるサポート体制を整えています。

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