【目次】
火力発電とは
火力発電で使われる燃料
石炭
石油
LNG
火力発電のメリット
安定的に発電できる
発電効率が高い
火力発電のデメリット
CO₂の排出量が多い
燃料が自給できない
資源が有限
火力発電の現状と今後
火力発電のデメリットを補うためにできること
CO₂排出を減らす
クリーンな電気を使う
再生可能エネルギー実質100%「CO₂フリープラン」
火力発電のメリット・デメリットを知り、地球に優しい選択を
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火力発電とは
火力発電は、化石燃料などを燃やしたときに出る熱エネルギーを電力に変える発電方法です。
日本には2021年5月現在、企業用などの小さなものも合わせて、469の火力発電所が立地しています。
火力発電は、下記の4つの方式に分類されます。
【火力発電の4つの方式】
- 汽力発電
- 内燃発電
- ガスタービン発電
- コンバインドサイクル発電
この中で主力となっているのは、汽力発電です。
汽力発電は、燃料を燃やして水を沸騰させ、蒸気の力で「タービン」と呼ばれる大きな羽を回して電力を発生させます。
タービンを回すために発生させた蒸気は、冷やして水に戻し、再びボイラー内に戻して沸騰させ、蒸気へ変えることを繰り返します。
蒸気を冷やすために大量の水が必要なことから、発電所は比較的海に近い場所に設置されています。
内燃発電は、燃料を燃やしてディーゼルエンジンなどの内燃機関で発電する方法で、離島などの小規模な発電で利用されることが多いです。
ガスタービン発電は、燃料を燃やした際に発生するガスでタービンを回して電力をつくります。
飛行機のジェットエンジンにも利用されている原理で、高出力なのが特徴です。
コンバインドサイクル発電は、汽力発電とガスタービン発電を組み合わせた発電方式で、熱エネルギーを効率よく利用することができます。
火力発電で使われる燃料
火力発電で使われる化石燃料は、主に石炭、石油、液化天然ガス(LNG)の3種類です。
どの燃料が一番優れているとは一概には言えず、それぞれ一長一短があります。
石炭
石炭は、蒸気機関車など昔の燃料というイメージがありますが、現在でも火力発電の主力燃料として使われています。
他の化石燃料より低価格で、さらに主な輸入国は、政治情勢が安定しているオーストラリアのため、価格が安定しています。
一方で、CO₂の排出量が多いのがデメリットです。
石油
石油は液体のため、固体の石炭や気体のLNGに比べて、貯蔵や運搬が容易にできるのが一番の特徴です。
しかし、多くは中東諸国から輸入しているため、産油国の政治情勢により価格が大きく変動することが懸念されています。
LNG
LNGは、気体の天然ガスをマイナス160度に冷却し、容積を600分の1ほどに凝縮して運びます。
石油や石炭に比べCO₂の排出量が少なく、比較的クリーンな化石燃料と言われています。
燃料単価は、石油より安く、石炭よりも高くなります。
火力発電のメリット
まずは火力発電のメリットから確認しましょう。
火力発電の主なメリットは、以下の2つです。
- 安定的に発電できる
- 発電効率が高い
安定的に発電できる
まず、安定的に発電できる点が挙げられます。
風力発電や太陽光発電は、どうしても天候に影響され、本来の発電力を発揮できないことが多くあります。
火力発電は、燃料さえあれば発電を持続させることができ、そのうえ燃料を加減することで発電量を調整することができます。
発電効率が高い
火力発電は、発電効率が高い発電方法です。
エネルギーをどれだけ電力に効率よく変えられるかを示す「エネルギー効率」は、55%程度です。
これは水力発電の80%に次ぐ効率の良さで、原子力、風力などを上回っています。
火力発電のデメリット
上記のように良い面も持つ火力発電ですが、どんなデメリットがあるのでしょうか。
火力発電の主なデメリットは、以下の3つです。
- CO₂の排出量が多い
- 燃料が自給できない
- 資源が有限
CO₂の排出量が多い
火力発電の最も深刻なデメリットは、大量のCO₂を排出することです。
CO₂の排出量が増えると、地球温暖化が加速します。
地球温暖化は、極地の氷や氷河が溶けることで起きる「海面上昇」や、大雨などの「異常気象」を引き起こす原因になっていると言われています。
日本における2017年度のCO₂排出量(電気・熱配分前)は、約11億9,100万トンでした。
そのうち約4割が発電によって排出されており、その多くは火力発電による化石燃料の燃焼で発生しています。
燃料が自給できない
日本はエネルギー資源に乏しいことから、火力発電に使われる化石燃料を自給することができません。
石炭、石油、LNGは、ほとんどを外国から輸入しています。
日本のエネルギー自給率は、2018年現在で11.8%で、他の先進国などと比べて低い水準です。
海外にエネルギー源を依存していると、国際情勢の変化によりエネルギー価格が高騰して発電コストが高くなったり、安定的にエネルギーを確保できなくなる恐れがあります。
特に石油は、そのほとんどを中東に依存していることから、ひとたび中東の政治情勢が不安定になれば、エネルギー価格が高騰して発電コストが高くなることが懸念されています。
資源が有限
火力発電の燃料である化石燃料は、量に限りがあります。
むやみに使っていると、やがてなくなります。
2017年末現在で確認されている採掘可能なエネルギー資源の埋蔵量は、下記の通りです。
- 石油:1兆6,966億バーレル
- 石炭:1兆350億トン
- 天然ガス:193兆5000億立方メートル
このまま使い続ければ、石炭は134年、石油、天然ガスはともに約50年で枯渇すると言われています。
今後、新たな炭田、ガス田、油田が発見されれば数字が変わる可能性はありますが、資源が有限であることに変わりはありません。
火力発電の現状と今後
デメリットが指摘される火力発電ですが、日本の発電のなかでは依然として大きな割合を占めています。
電力をつくるエネルギーごとの発電割合を示す「電源構成」をみると、2018年は石炭31.6%、LNG38.3%、石油などが7.0%で、化石燃料だけで実に約77%を占めています。
東日本大震災以降、原子力発電所の多くが停止したことから、火力発電の割合は過去に増して大きくなりました。
しかし政府は今後、火力発電への依存を小さくする方針です。
2021年10月に、経済産業省より示された「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度の電源構成を石炭19%、LNG20%、石油などを2%程度に減らし、化石燃料の比率を41%にまで下げる姿勢を示しています。
代わりに、現状で18%程度にとどまっている太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを、36~38%に引き上げる考えです。
火力発電のデメリットを補うためにできること
とはいえ、火力発電をすぐに減らすことは、現実的に難しいです。
火力発電のデメリットを補うために、私たちが家庭でできることはあるのでしょうか。
CO₂排出を減らす
まずは、CO₂の排出量を抑えることです。
たとえば、エアコンの設定温度を夏は1度高く、冬は1度低くすることで、年間約33キログラムのCO₂排出量を削減できます。
ポットや炊飯ジャーの保温機能を使わなければ、年間で約34キログラムのCO₂排出量を削減することが可能です。
排出量を削減する方法は、電気の節約以外にもあります。
たとえば、自家用車で1日5分のアイドリングストップを行えば、年間約39キログラムのCO₂をカットすることができます。
クリーンな電気を使う
電気やエネルギーの削減に限らず、クリーンな再生可能エネルギーを使うことでも、CO₂の削減に貢献できます。
再生可能エネルギーは、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などを指します。
火力発電のように化石燃料を燃やすことがないことから、発電時にはCO₂が発生しません。(もしくは増やしません。)
ただし、自宅で水力発電のダムを造ったり、風力、バイオマスの発電施設を設置するのは現実的ではありません。
また、自宅への太陽光パネルの設置もコストがかかります。
そこで、再生可能エネルギーを積極的に扱う電力会社を選べば、手軽にクリーンなエネルギーを選択することができます。
再生可能エネルギー実質100%「CO₂フリープラン」
新電力『エバーグリーン』は、クリーンなエネルギーを身近なものとしてお客様へお届けすることを通じて、持続可能でクリーンな社会の実現に貢献しています。
エバーグリーンは、東証プライム市場上場の老舗の新電力会社・イーレックスグループの一員です。
親会社のイーレックスは、国内トップクラスのバイオマス発電事業者として、エコな電気の供給に貢献してきました。
エバーグリーンの「CO₂フリープラン」に加入すると、家庭の電力使用によるCO₂排出量が実質ゼロになります。
このプランによって年間で削減できるCO₂排出量は、一般的な家庭だと年間で1785kg- CO₂です。
これは、約130本の杉の木が年間で吸収するCO₂量に相当します。
※ 300kWh/月×12か月×0.496kg-CO₂/kWh(平成29年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
エバーグリーンのCO₂フリープランに興味を持った方は、ぜひ一度公式ホームページをご覧ください。
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火力発電のメリット・デメリットを知り、地球に優しい選択を
確かに火力発電には電気の安定供給などといったメリットがあり、私たちの生活になくてはならないものです。
しかし、地球環境が悪化し、地球に住む私たちの生活が成り立たなくなっては、電気をつくる意味もなくなります。
クリーンエネルギーの比率を増やしながら、火力発電の割合を減らす、そしてクリーンエネルギーを補う形で、火力発電を賢く使うことが求められています。
いつ、どこでも電気を安定的に使うことができる便利な社会がいつまでも続くように、電気がどのようにつくられているのかに関心を持ちましょう。
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(出典:資源エネルギー庁|統計表一覧 1-(1)電気事業者の発電所数、出力)
(出典:資源エネルギー庁|第3節 一次エネルギーの動向)
(出典:資源エネルギー庁|2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編))
(出典:資源エネルギー庁|第2部 第2章 第2節 一次エネルギーの動向)
(出典:電気事業連合会|火力発電)
(出典:電気事業連合会|ガスタービン発電)
(出典:電気事業連合会|コンバインドサイクル発電)
(出典:日本経済団体連合会|各電源の特性)
(出典:電気の豆知識(デンマメ)|火力発電のマメ知識)
(出典:環境省|2017年度(平成29年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について)
(出典:経済産業省|エネルギー基本計画の概要)
(出典:本宮市公式ホームページ|家庭でできる取り組み10項目(二酸化炭素の排出量削減))