サーマルリサイクルとは
サーマルリサイクルとは、廃棄物を燃やすときに発生する「熱エネルギー」を回収して利用するリサイクル方法です。
リサイクルにはサーマルリサイクルの他に、以下の2つの方法があります。
- マテリアルリサイクル:廃棄物を新たな製品の原料として再利用する方法
- ケミカルリサイクル:廃棄物を化学合成で他の物質に変え、その物質を原料にして新たな製品を作る方法
しかし、ごみの中にはリサイクルが困難なものや、分類・仕分けに時間がかかるものもあります。
たとえば宅配ピザの空き箱は、ピザの油や汚れが付いているため、古紙としてリサイクルすることが難しい物です。
このようなごみは、原料として利用するのではなく、燃やして「熱エネルギー」を回収することで、「リサイクルをした」とみなしているのです。
これがサーマルリサイクルです。
サーマルリサイクルで回収した熱は、温水プールや発電に使われます。
経済産業省によると、2017年における国内の廃プラスチックの総排出量のうち、全体の58%をサーマルリサイクルによって処理しています。
サーマルリサイクルのメリット
日本で主流となっているサーマルリサイクルですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではサーマルリサイクルの3つのメリットをご紹介します。
- 資源消費の削減
- 埋立処分場の延命
- メタンガスの削減
資源消費の削減
サーマルリサイクルの資源となるのは、ごみ焼却場に集められたごみで、紙類や廃プラスチックなど、さまざまな物が含まれています。
これらを燃やして熱を回収するわけですが、特に廃プラスチックは発熱量が大きく、紙ごみの2〜3倍もあります。
石炭や石油と比較しても劣らないほどの発熱量を持っており、廃棄物を燃料として再利用することによって、石炭・石油などの貴重な資源の消費を削減できます。
埋立処分場の延命
先ほど少し触れた通り、ごみの中にはリサイクルが難しいものが含まれています。
それらをサーマルリサイクルしない場合、リサイクルができないため、埋め立て処理されるのが一般的です。
しかし埋立処理場は無限にあるわけではなく、多くのごみを継続的に受け入れ続けるのは難しいでしょう。
サーマルリサイクルをすればごみの体積を減らすことができるので、限りある埋立処分場のスペースを延命することができます。
メタンガスの削減
プラスチックが劣化すると、温室効果ガスのひとつであるメタンガスが発生します。
このメタンガスは、二酸化炭素の20倍以上の温室効果があると言われている物質で、地球温暖化を促進してしまいます。
サーマルリサイクルをすることでプラスチックの劣化に伴うメタンガスの発生を抑制することができます。
サーマルリサイクルの問題点
サーマルリサイクルにはいろいろとメリットがありますが、その反面、問題点もいくつかあります。
ここではサーマルリサイクルの持つ2つの問題点についてご紹介します。
- 有害物質が発生する
- 二酸化炭素を排出する
有害物質が発生する
ごみ焼却場でごみを燃やすと、ダイオキシンをはじめとした有害物質を含む排ガスが出ます。
近年では燃焼技術の進化や規制の強化により、有害物質の排出量を抑えられていますが、完全になくすことはできていません。
二酸化炭素を排出する
先ほどメリットのところで、サーマルリサイクルはメタンガスの発生を抑えられると説明しました。
しかし一方で、サーマルリサイクルでは廃棄物を燃料として燃やすわけなので、どうしても二酸化炭素を排出してしまいます。
温室効果の高いメタンガスの排出を減らせるとはいえ、二酸化炭素が出てしまう点はデメリットと言えるでしょう。
リサイクル以外にもできる環境にやさしい行動
リサイクルは資源の有効活用や環境負荷の軽減など、さまざまな利点があり、積極的に行いたい行動です。
日頃の生活でごみの分別をしっかり行い、できる限りリサイクルするよう心がけましょう。
また、リサイクル以外にも、私たちができる環境にやさしい行動はあります。
ここでは下記3つをご紹介します。
- 無駄なごみを減らす
- 同じものを繰り返し使う
- 環境にやさしい電気を選ぶ
無駄なごみを減らす
リサイクルをすれば限りある資源を再利用できますが、まずはごみそのものの量を減らすことが大切です。
無駄なごみが減れば、その分、ごみの処理にかかるエネルギーを抑えることができます。
ごみの量を減らす行動には、下記のようなものがあげられます。
- マイバッグを持参してレジ袋を使わない
- 弁当や惣菜を買ったときに割り箸をもらわない
- 買った食品を無駄なく使って食べ残さない
同じものを繰り返し使う
一度買ったり使用したものは、すぐにごみとして廃棄しないで、できるだけ繰り返し使いましょう。
そうすることで、ごみの量を減らすことにつながります。
日々の暮らしの中では、下記のようなことができます。
- シャンプーや洗剤は、繰り返し使える容器に入った製品を選び、中身がなくなれば詰め替え用品を買う
- リサイクルショップやフリマサイトなどで古着や中古品を買う
- 不要なものを周りの人に譲る
電気の使い方を見直す
電気やガスなどのエネルギーが私たちのもとに届くまでには、その過程で多くの二酸化炭素が排出されており、環境に負荷を与えています。
実は家庭で消費されるエネルギー量をエネルギー源別(電気、ガスなど)に見ると、電気がもっとも多く、全体の半分ほどを占めています。
つまり電気の使い方を見直すことが、効果的な省エネ行動になります。
照明をこまめに消す、冷暖房の温度設定を見直すなど、ちょっとしたことを意識すれば消費電力を少なくすることができるので、ぜひ取り組んでみてください。
また、再生可能エネルギーを扱った電力会社や契約プランに切り替えるのも一つの手です。
現在、日本の発電方法で主流となっている火力発電では、発電時にCO₂(二酸化炭素)が多く発生します。
地球環境を守るためにはCO₂が発生しないエネルギーを選ぶことが重要であり、そこで注目を集めているのが再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーは、太陽光、風力、バイオマスなどをエネルギー源にしています。
火力発電のように化石燃料を燃やすことがないことから、発電時にはCO₂が発生しません。(もしくは増やしません。)
しかし、風力発電で電気を作りたいからといって、自宅に風車を設置するのはあまり現実的ではありませんし、太陽光パネルの設置にはコストがかかります。
そこでおすすめしたいのが、再生可能エネルギーを積極的に扱う電力会社の電気を使うことです。
そうすれば私たち個人でも、手軽にクリーンなエネルギーを選択することができます。
今では再生可能エネルギーを積極的に扱う電力会社が増えましたが、新電力の『エバーグリーン』もそのうちのひとつです。
エバーグリーンは下記のような電力会社です。
- 東証プライム市場上場のイーレックスグループの一員
- 電力事業20年以上の実績
- 沖縄と一部離島を除く、日本全国どこからでも申し込み可能
エバーグリーンでは、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。
エバーグリーンの電気プランに切り替えることで削減できるCO₂排出量は、一般的な家庭で、杉の木約112本が一年間に吸収する量に相当します。
※300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
エバーグリーンは、初期費用・契約手数料、解約違約金がかかりません。(あるく・おトク・でんきを除く)
また、お申し込みはWebから5分程度で完了します。
エバーグリーンについてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ一度公式ホームページをご覧ください。
サーマルリサイクルのことを知り、地球や環境に良い選択をしよう
今回はサーマルリサイクルについて解説しました。
サーマルリサイクルは熱を利用するリサイクル方法で、さまざまなメリットがあります。
一方で、「燃焼」の過程が含まれるため、二酸化炭素を排出するという一面も持っています。
一長一短がありますが、リサイクルは環境保全にとって重要な行動なので、積極的に行っていきたいところです。
リサイクル以外にも、地球にやさしい行動はあります。
この記事でご紹介した内容をもとに、ぜひ日々の暮らしの中で取り入れましょう。
また、エコな電気にご興味のある方は、ぜひ一度エバーグリーンのホームページをご覧ください。
(出典)