日本のエネルギー問題
産業や日常生活に欠かすことのできないエネルギーですが、日本ではエネルギーに関するさまざまな問題を抱えています。
化石燃料への依存率が高い
地球温暖化や、それに伴う気候変動が世界全体の課題となる中、二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスの削減が求められています。
温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて、差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」が世界共通の目標となっています。
カーボンニュートラルを実現するためには、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)といった化石燃料の利用削減が求められます。
そのような状況の中、日本ではいまだエネルギーの大部分を化石燃料に大きく依存しています。
1973年の日本では、電力の94%が化石燃料由来でした。その後、1970年代にオイルショックが起き、環境意識の向上や省エネ技術の発展により、2010年には81.2%まで依存度は下がりました。
しかし、2011年の東日本大震災以降は、原子力発電所が運転を停止した影響などで再び化石燃料の使用が増加しています。2019年には、依存度は84.8%に上昇しました。
エネルギー自給率が低い
日本は、他の国と比べてエネルギー自給率が極端に低くなっています。
日本のエネルギー自給率は、2019年時点で12.1%です。当時、経済協力開発機構(OECD)に加盟していた36カ国中、35位という低いランクに位置しています。
2010年時点では、20.2%でかろうじて2割を超えていました。しかし、東日本大震災による原子力発電所の運転停止などで、2014年には6.3%にまで下がってしまいました。
近年は少しずつ上昇傾向にあります。それでも、およそ9割近くのエネルギーを、海外からの輸入に頼っています。
エネルギー自給率が低く、電力を海外に依存すると、国際情勢によって電力の供給が左右されることとなります。電力の安定供給にとっては、大きな不安要素となります。
電気料金が上がっている
石油などの燃料費は高騰をみせています。
それに伴い、日本の電気料金はどんどん値上がりしており、家計や日常生活に深刻な影を落としています。
日本の大手電力会社でも、7社が2023年4月以降にさらなる値上げを検討しています。
東京電力管内の場合、平均的な電力使用量の家庭の電気料金は、2022年9月に過去最高水準の9,126円まで上昇しました。
今後、さらなる値上げが見込まれています。
また、電気料金には、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の原資となる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が含まれています。
太陽光発電システムの普及などにより、この再生可能エネルギー発電促進賦課金も上昇傾向を見せています。
安全性の確保
気候変動などの影響で、近年、自然災害の激甚化が指摘されています。雨の降り方が激しくなったり、猛烈な強さの台風が日本に接近、上陸したりするケースが頻繁に起こっています。
それに伴い、鉄塔や電柱、発電設備などの電力インフラを、いかに災害から守っていくかが大きな課題となっています。
地震や津波への備えも重要です。
2011年の東日本大震災では、福島第一原子力発電所が津波による被害を受け、災害時のエネルギー供給の脆弱さが明らかになりました。
原子力発電所の運転停止により、電力需要が増える夏や冬には毎年のように電力不足が起きており、原発再稼働による解消を求める意見があります。
政府も、次世代原子炉の開発を検討し、原発の再稼働を目指す方針を打ち出していますが、今後安全性をどう確保するかが課題となります。
エネルギー問題の原因は?
日本を取り巻くエネルギー問題は、どのような原因で起きているのでしょうか。
原子力発電の減少
東日本大震災以降、国内の原子力発電所は相次いで運転停止しました。2012年には、42年ぶりに全ての原子力発電所が停止する事態になりました。
その後、西日本を中心に再稼働する原子力発電所がある一方、安全対策に時間がかかり、再開に至っていない発電所もあります。
また、福島第一原子力発電所の事故により、原子力の安全性に対する信頼は大きく損なわれたことから、再稼働に向けて地元住民や自治体の同意を得られていないケースもあります。
原子力発電の減少により、火力発電が占める割合が相対的に大きくなり、化石燃料の依存や、エネルギー自給率の低下を招く結果となっています。
資源不足
日本は、石油や石炭、液化天然ガスなどの資源が乏しい国です。 そのため、化石燃料の多くを海外からの輸入に頼ることとなり、どうしてもエネルギー自給率が低くなってしまいます。
化石燃料の輸入元の事情や、世界情勢の不安定化などで、化石燃料の世界全体の流通量や日本への輸入量が少なくなってしまうと、価格が高騰してしまい、電気代の値上げにつながることになります。
世界情勢の不安定化
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻は、世界中を震撼させました。1年以上が過ぎた今も、戦火がやむことはありません。
世界情勢の不安定化により、化石燃料の価格は全ての種類で急激に上がりました。それに伴い、電気代も高くなっているのです。
エネルギー問題解決のカギとなる再生可能エネルギー
日本のエネルギー問題において、解決のカギとなり得るのが、再生可能エネルギーです。
再生可能エネルギーとは、石油や石炭、LNGなどの有限な資源を使わず、自然界に常に存在する資源を使ったエネルギーを指します。
再生可能エネルギーが普及すれば、化石燃料への依存率が低くなり、温室効果ガスの削減につながります。
同時にエネルギー自給率も上がり、諸外国の情勢に左右されない電気の安定供給を実現することができ、電気料金も安定します。
また、身近な自然エネルギーを使うことで、安全性を確保することができます。
再生可能エネルギーの代表的なものとして、太陽光、風力、バイオマスがあります。
太陽光
太陽の光エネルギーを太陽電池により電気に変換する発電方法です。
発電時にCO₂を排出せず、屋根や壁などの未利用施設に発電施設を設置できるのが大きな特徴です。
一方で、夜間や天気の悪い日には発電できないなど、日照時間と気象条件により発電出力が左右されるなどのデメリットがあります。
風力
風車により、風のエネルギーを電気エネルギーに変える発電方法です。欧米諸国では導入が進んでいます。
太陽光発電とは異なり、夜間でも発電が可能です。さらに、陸上だけでなく、海の上でも稼働することができます。
島国である日本は海に囲まれていることから、洋上風力発電のポテンシャルが高いと言われています。
一方で、発電施設や電線などの送電施設のコストが高いことが課題となっています。
バイオマス
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源を指す言葉です。バイオマス発電は、それらの生物資源を直接燃やしたり、ガス化するなどして発電する方法です。
資源の収集、運搬、管理コストをさらに下げることが求められていますが、未利用の廃棄物を燃料とするので、循環型社会の構築に大きく貢献します。
また、光合成によりCO₂を吸収したバイオマス資源は、燃焼してもCO₂を排出しないものとみなされ、カーボンニュートラルの考えに沿った発電方法です。
地球に優しいエバーグリーン
エネルギー問題に向き合いたいとお考えの方に知って欲しいのが、電力事業20年以上の実績がある新電力『エバーグリーン』です。
エバーグリーンは国内トップクラスのバイオマス発電事業者であるイーレックスグループの一員で、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。
エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。
エバーグリーンへの切り替えで削減できる年間CO₂排出量は、一般的な家庭で1,562kg-CO₂です。
これは杉の木約112本が1年間に吸収する量に相当します。
※ 300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)
また、下記のようなユニークなプランがあります。
・あるく・おトク・でんき
歩数に応じて電気代が割引されるプラン
・保険でんき
個人賠償責任保険と電気がセットになったプラン
エバーグリーンへの切り替えは、WEBから5分程度で行えます。
気になる方は、ぜひ公式ホームページをご覧ください。
再生可能エネルギーの普及でエネルギー問題の解決へ前進
2021年に経済産業省より示された「第6次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの比率を2030年度には36~38%に引き上げる考えとなっています。
政府も野心的な目標を立てることで、再生可能エネルギーの普及を推進しようとしています。
エネルギー問題は、日本社会に突きつけられた深刻な課題です。再生可能エネルギーの普及により、解決に向けて前進することが期待されています。
エネルギー問題に関心のある方は、環境に優しい『エバーグリーン』への切り替えを一度検討してみてはいかがでしょうか。
(出典)