日本は環境問題に対してどんな取り組みをしている?~地球温暖化対策・再生可能エネルギー編~ では、日本が行っている地球温暖化への取り組みや再生可能エネルギーについてご紹介いたしました。
今回は、省エネ活動、エネルギーの安定供給への取り組み、電気料金の変化、国内のイノベーション事業などについてご紹介します。
尚、本コンテンツの情報は、資源エネルギー庁が公開している資料「日本のエネルギー2020」を基に作成しています。
詳細につきましては以下をご覧ください。
【目次】
安定供給について
■エネルギー自給率の推移
■資源確保の状況
経済性について
■電気料金の変化
■再エネのコスト
イノベーションと省エネについて
■水素・蓄電技術、カーボンリサイクル
まとめ
徹底した省エネ
日本はエネルギー消費効率を高める取組を続けています。エネルギーミックスにおける2030年度の需給見通しの実現に向けて省エネを進めることが必要です。
省エネの取組進捗は以下の通りです。
また、2020年に「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の一部が改正され、機器の省エネ表示が新しくなっています。
詳しい省エネ性能が一目でわかりやすくなり、消費者が省エネ性能を比較しやすくなりました。
従来のラベルとの変更点は以下の3つです。
①多段階評価
省エネ制度の評価点を1~5の5段階評価から1.0~5.0の0.1刻み41段階評価に変更。
②省エネルギーラベル
省エネ性マーク、省エネ基準達成率、エネルギー消費効率、目標年度を表示
③年間の目安電気料金
エネルギー消費効率を分かりやすくするため、年間の目安エネルギー使用料金を表示。
新しいラベルは、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気便座、照明器具は2020年11月より店頭表示が開始されており、エアコン、テレビ等は2021年以降に導入予定です。
安定供給について
私たちが生活をする上で、安定したエネルギー供給は必要不可欠です。
しかしながら、日本は資源に乏しくその殆どを海外からの輸入に頼っています。
ここでは、日本のエネルギー自給率の推移とどのくらいの資源が確保されているのかご紹介します。
■エネルギー自給率の推移
エネルギー自給率とは、国民生活や経済活動に必要な一次エネルギー※2のうち、自国内で産出・確保できる比率を指します。
2018年の日本の自給率は11.8%であり、主要国の一次エネルギー自給率順では34位と 、他のOECD諸国と比べても低い水準となっています。
しかし、下記の2010年の自給率を見ると現在と比べて高水準にありました。
※2 石油、天然ガス、石炭、原子力、太陽光、風力など、基本的に自然界に存在するままの形でエネルギー源として利用されているもの
日本国内で主に利用されているエネルギーは石油・石炭・天然ガス(LNG)などの化石燃料です。しかし、それらの多くは海外からの輸入に頼っています。
1973年の第一次石油ショック時には94%だった化石燃料依存度は、2010年には81.2%と減少傾向にありましたが、東日本大震災以降再び高まり、2018年度は85.5%になっています。
また、2020年からのコロナショックはエネルギー需給に大きな影響を与えると予想されています。
IEAの統計によると、2020年のエネルギー需要は6%程度の減少。需要見通しへの不確実性が上昇していることからリスク回避による上流資源への投資低迷も予測され、資源・燃料の安定的な調達が課題となっています。
■資源確保の状況
日本で主に利用している化石燃料は、その殆どを海外からの輸入に頼っているとお伝えしましたが、原油・LNG・石炭にフォーカスを当てて、特にどの国から輸入しているのでしょうか。
財務省貿易統計によると2019年の化石燃料輸入のうち、原油は約88%をサウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東地域に依存しています。LNGや石炭は中東地域への依存度は低いものの、LNGの場合オーストラリアが38.9%、その他マレーシアやインドネシアなどのアジア・オセアニア地域からの輸入が約27.9%と、これらの地域に大きく依存しており化石燃料の海外依存度は非常に高い状態にあります。
経済性について
電気、ガスなどの公共インフラは私たちが生活する上で無くてはならないものですが、これらの公共料金のうち電気料金はどのくらい変化していると思いますか?ここでは日本の電源構成の推移と2012年以降、急速に導入が進んでいる再生可能エネルギーのコストについてご紹介します。
■電気料金の変化
東日本大震災以降、電気料金は上がっています。震災前の2010年度と2014年度を比較すると、電気料金は家庭向け・産業向けでそれぞれ25%増・38%増と大きく上昇しました。
2014~2016年は原油価格の下落などによりやや電気料金は下がりましたが、再び上昇傾向となり、2019年度は2010年度と比べて家庭向けで約22%、産業向けで約25%上昇しています。
日本では自給率を高め、国際原油価格の動向に左右されにくい電源構成にするとともに、2016年度に始まった電力小売の全面自由化による事業者間の競争や、安全性を大前提とした原発の再稼働、再エネのコスト低減による導入増加などにより電気料金の抑制に取り組んでいます。
■再エネのコスト
2012年の固定価格買取制度※5の導入以降、再エネの設備容量は急速に伸びています。
一方、買取り費用は3.8兆円に達し、一般的な家庭での平均モデル負担額(260kWh/月)で賦課金の負担額は774円/月にのぼっています。再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、効率的な導入拡大を進めています。
※5 固定価格買取制度(FIT):再エネで発電した電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取る制度。このため再エネの買取り費用は、電力会社が利用者から賦課金という形で回収している。
イノベーションと省エネについて
■水素・蓄電技術、カーボンサイクル
脱炭素社会のためのイノベーションには、再エネ等からのCO₂フリー水素製造や燃料電池車等への多様な利活用、カーボンリサイクルなどがあります。
2020年1月「革新的環境イノベーション戦略」が策定され、以下の重点領域に関する39テーマについて、コスト目標、技術ロードマップ、実施体制等が明確になりました。
①非化石エネルギー
②エネルギーネットワーク
③水素
④カーボンリサイクル、CCUS
⑤ゼロエミ農林水産業
カーボンリサイクル(CO₂の再利用)とは、CO₂を炭素資源と捉えて再利用することでCO₂排出量を抑制していくというものです。
資源エネルギー庁は、CO₂を大気中から直接回収する技術(DAC)やそのCO₂と水素を合成して製造する脱炭素燃料などの技術の進展向けて技術ロードマップを2019年6月7日に策定。その後、米国をはじめとした国々との国際的な連携の進展や2020年12月の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の策定により、2021年7月26日にロードマップが改訂されました。
また、水素社会の実現に向けた取組も進んでいます。
2019年12月には、世界初となる液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の進水式が行われたほか、ブルネイでは水素化プラントを開設し日本への輸送の実証実験が行われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。普段生活する上で当たり前に使っているエネルギーのことについて知っているつもりでも正確に理解出来ていないこともあったのではないでしょうか。
私たちの生活や企業活動に直接影響する分野もあると思いますので、政府や各自治体が公開している情報を定期的に確認してみてください。
エバーグリーン・マーケティング株式会社では法人を対象に、エバーグリーン・リテイリング株式会社では個人を対象に、【再生可能エネルギーをもっと身近に、グリーンが当たり前の社会を目指して】CO₂排出係数をゼロにしつつ経済性も考慮した電気を販売しています。
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