【目次】
SDGsが注目されている背景
日本政府による国内のSDGs取組事例
■実施体制の構築
■ジャパンSDGsアワード
■SDGs未来都市
■SDGサミット
SDGs取組の進め方
■取組の意思決定
■PLAN:自社の活動内容の棚卸を行い、SDGsと紐付けて説明できるか考える
■DO:何に取り組むか検討し、取組の目的、内容、ゴール、担当部署を決める
■CHECK:取組を実施し、その結果を評価する
■ACT:一連の取組を整理し、外部への発信にも取り組んでみる
まとめ
※この記事は、2020年8月31日に公開した記事ですが、文言やデータ、その他の部分も追記‧更新して2021年09月29日に再度公開しました。
SDGsとは
SDGsとは、気候変動や格差などの社会が抱える問題の解決を目指し、明るい未来を作るために貧困や飢餓、⽔や保健、教育、医療、⾔論の⾃由やジェンダーなど、⼈々が⼈間らしく暮らしていくための社会的基盤を 2030 年までに達成するという⽬標であり、17のゴールと169のターゲットで構成されている「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことです。
2015年9月、ニューヨーク国連本部において、193の加盟国の全会一致で採択されました。
SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)は、主に開発途上国への発展支援を目的として、2000年9月に国連ミレニアム・サミットで採択された国際ミレニアム宣言をもとにまとめられました。
日本でも開発協力政策の取り組みとして、2012年末までに農業開発とインフラ整備を含む食料安全保障のために42億ドルもの支援を行っています。そのほかの目標に関しても、教育や保健分野において国際社会の取り組みを主導しています 。
しかし、MDGsが策定されてから15年間の国際的な情勢の変化により、MDGsのみでは十分に取り組むことが出来ない課題が顕在化してきました。
MDGsは国を単位として達成状況を測定する指標です。そのため、アジア諸国のように著しい経済成長を遂げる国がある一方で、国内のさまざまな格差が広がる国もあるなど、その国それぞれの状況をとらえきることが出来ていませんでした。
それと同時に深刻さを増す環境問題や自然災害への取り組みや開発協力の取り組みに対する官民協力の重要性も増していき、開発途上国だけでなく全国連加盟国が取り組むべき「誰一人取り残さない」という理念を掲げるSDGsが策定されました。
SDGsでは企業や地方自治体だけでなく、市民社会の一人一人に至るまでの行動が求められていることが大きな特徴です。
SDGsが掲げる「持続可能な開発」とは、「将来世代のニーズを損なわずに、現代世代のニーズを満たす開発」を指します。
SDGsは世界中の国やビジネスにおいて大きなトピックスになっていますが、2017年にGPIF※がESG投資 に1兆円規模の投入を決めたことで更に注目を集めました。これは、環境問題や社会問題を視点として経営に取り入れることにより、「将来的なリスクを軽減できる」「課題解決のために生まれる新規市場に参入できる」といった評価が市場においてなされているためです。
※年金積立金管理運用独立行政法人
(出典:環境省|すべての企業が持続的に発展するために- 持続可能な開発目標(SDGsエスディージーズ)活用ガイド -[第2版])
(出典:外務省|JAPAN SDGs Action Platform)
(出典:外務省|MDGsの成果と課題)
(出典:外務省|持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取り組み )
SDGsが注目されている背景
SDGsが注目されている背景には何があるのでしょうか。
昨今の少子高齢化による人材不足や消費者ニーズの多様化等により、事業拡大や事業継承において、企業には従来通りではなく、様々な取組の変化が求められるようになりました。また、物流や通信などのネットワークの発達により、個々の組織が社会に与える影響はますます広がり、それらは企業の社会的な評価・評判や資金調達にも影響するようになりました。
特に、1990年代以降、地球温暖化をはじめとした環境問題への取組が企業に求められるようになり、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals/SDGs)」の策定、パリ協定の採択によって、持続可能な社会に向けた企業の役割はますます大きくなりました。
(出典:環境省|すべての企業が持続的に発展するために- 持続可能な開発目標(SDGsエスディージーズ)活用ガイド -[第2版])
日本政府による国内のSDGs取組事例
2015年にSDGsが採択された後、日本政府は施策実施に向け様々な基盤整備に取り組んでいます。ここでは、「実施体制の構築」「ジャパンSDGsアワード」「SDGs未来都市」「SDGサミット」の4つについてご紹介します。
■実施体制の構築
1つ目が実施体制の構築です。2016年に設置された「SDGs推進本部」では、年に2回のペースで本会合を開催し、国内実施と国際協力の両面で率先してSDGsに取り組める体制を整えています。
ここではまず、2016年12月、SDGs推進のための中長期戦略である「SDGs実施指針」が策定され、2019年に12月に初めて改定されました。改定版では、これまでの日本の取組の分析に基づき、SDGsの17のゴールを日本の文脈に即して再構成した8つの優先課題と主要原則が改めて提示されました。
■ジャパンSDGsアワード
ジャパンSDGsアワードとは、SDGs達成に資する優れた取組を行う企業・団体を表彰する取組で、2017年から始まりました。
アワードの目的は、国内の取組を「見える化」し、より多くのSDGsへの行動を促進することです。企業のみならず教育機関や地方自治体なども表彰されていることから、国内におけるSGDs達成に向けた原動力になっています。
■SDGs未来都市
日本政府は2018年から「SDGs未来都市」を選定しています。その中でも特に先導的な取組は「自治体SDGsモデル事業」に選定され、資金面での支援が受けられます。
SDGsを原動力とした地方創生を推進するために始まった取組ですが、2020年までに全国各地の93都市が選定されています。
■SDGサミット
SDGサミットとは、首脳レベルでSDGsについて過去4年間の取組のフォローアップを行い、SDGs達成に向けた機運を高めることを目的とした国際的な取組です。
当時首相だった安倍元総理は、2019年に日本が初めて議長国を務めたG20大阪サミットや、TICAD7において、環境、教育、保健、質の高いインフラ投資等の取組を議長として主導したことを共有した上で、「SDGs推進本部」の本部長として、次のSDGサミットまでに、民間企業の取組や地方創生の取組など国内外における取組を加速させる決意を表明しました。SDGsへの取組は、現首相の菅総理にも受け継がれていますが、今月末の任期満了に伴い総理大臣職を退任することから、今後の動向が気になるところです。
(出典:外務省 | 持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組)
SDGs取組の進め方
SDGsに実際に取り組む際には、どのようにすれば良いのでしょうか。
一つの例としてPDCAに則り、以下の手順をご紹介します。
■取組の意思決定
・企業理念を改めて確認し、自社の将来ビジョンについて考え、共有する
・経営者などに説明し、その理解と意思決定を得る
・取組における担当者やチームを決める
・社内向けの説明資料を作成し、社内での普及啓発に取り組む
■PLAN:自社の活動内容の棚卸を行い、SDGsと紐付けて説明できるか考える
・自社が現在どのような取組を行っているのか整理の棚卸をし、課題の整理と取り組み内容の見直しを行う
・取組に対する社内の理解と協力を得る
■DO:何に取り組むか検討し、取組の目的、内容、ゴール、担当部署を決める
・扱いやすく、効果が期待できる取組を抽出する
・取組の内容、ゴール、スケジュール、担当部署を決める
・必要となる資金について考える
・その後、経営者の了解を得て、社内での理解と協力を得る
■CHECK:取組を実施し、その結果を評価する
・取組の進み具合を確認しながら、実施前と実施後でどのように変化したかモニタリングする
・取組過程及び取組後に記録した結果を用いて、取組のレポートを作成する
作成方法については、他社の事例やCSRガイドラインを参考にしたり、外部の有識者などにアドバイスをもらうなどすると良いでしょう。
■ACT:一連の取組を整理し、外部への発信にも取り組んでみる
・取組の振り返りを行い、アピールポイントを整理する
・ビジネスチャンスへとつながる発信方法を考える
・評価結果を受けて、次の取組を展開する
(出典:環境省|すべての企業が持続的に発展するために- 持続可能な開発目標(SDGsエスディージーズ)活用ガイド -[第2版])
まとめ
いかがでしたでしょうか。
次回は、引き続きSDGsについて、日本国内の取組や、上記のようなPDCAを回してSDGsを行った企業の事例の数々、SDGs実施指針の改定についてご紹介します。
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