カーボンニュートラル宣言で注目されるCO₂フリーの電力
CO₂フリーの電力とは
CO₂フリーの電力とは、発電する際にCO₂を排出しない電力のことです。具体的な発電方法としては、水力発電のほか、再生可能エネルギーと言われている太陽光発電や風力発電などがあります。
特に、再生可能エネルギーは、自然の力を利用して電力をつくるため、CO₂の排出がゼロになることに加えて、発電によって資源が枯渇する心配がありません。
このため、脱炭素化を進めたいと考える企業によっては、CO₂フリーの電力の導入は大きな選択肢になります。
カーボンニュートラル達成に必要なCO₂フリーの電力
政府は2050年のカーボンニュートラル達成を目標に掲げています。その際に、企業活動で排出されるCO₂の削減は避けて通れません。なぜなら、日本国内で排出されているCO₂の約8割は、企業活動によって排出されているからです。
企業活動によるCO₂の排出で大きな割合を占めているのが、発電に伴うCO₂の排出です。発電の際にCO₂を排出しないCO₂フリーの電力を導入することで、排出量は大幅に削減されます。カーボンニュートラル達成のためには、企業がCO₂フリーの電力を導入することが欠かせないのです。
CO₂フリーの電力のメリットは
化石燃料由来よりも環境に優しいCO₂フリーの電力
CO₂フリーの電力を使用することのメリットの1つは、現状では日本で主流の発電方法となっている火力発電に比べて、環境に優しいことです。
火力発電は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やして発電をしているため、大量のCO₂が排出され、環境への影響が大きくなっています。また、日本では化石燃料を輸入に頼っているため、運搬によっても大量のCO₂を排出していることになります。CO₂フリーの電力であれば、燃料からも、運搬の際にも、CO₂は排出されません。
太陽光発電は設備価格が下落
CO₂フリーの電力を使用することのもう1つのメリットは、世界的なエネルギー需要の増加や、ロシアによるウクライナ侵攻により化石燃料が高騰する一方で、CO₂フリーの電力は以前よりも低コストで導入できるようになっていることです。
再生可能エネルギーの中でも、太陽光発電については設備価格が下落しています。このため、太陽光発電を軸にしたCO₂フリーの電力を企業が導入する際に、さまざまなプランから選べるようになってきました。
企業がCO₂フリーの電力を導入する方法
CO₂フリーの電力を小売り事業者のプランから購入する
それでは、企業がCO₂フリーの電力を導入する方法を具体的に見ていきます。まず、CO₂フリーの電力を小売り電気事業者が提供するプランから購入する方法です。
この場合、電力契約を変更するだけでCO₂フリーの電力を導入できます。発電設備を設置する場所を事業所内で確保することが難しい企業にとっても、最も導入しやすい方法と言えます。
CO₂フリーの電力を自社で発電し自社で使う
次に、CO₂フリーの電力を自社で発電し、自社で使う自家発電です。発電設備を設置する場所があり、初期投資が可能な企業にとっては、CO₂フリーの電力の自家発電は有力な選択肢になります。
遊休地だけでなく、建物の屋上やカーポートの屋根など、事業所内で太陽光発電ができれば、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電賦課金がかからないほか、電力会社が所有する送配電網を使用しないため、託送料金もかかりません。脱炭素化に取り組んでいる企業だと外部に知ってもらいやすい利点もあります。
カーボンオフセット制度を活用する
CO₂フリーの電力を手軽に導入できる方法が、カーボンオフセット制度を利用することです。これは、証書やクレジットによって、再生可能エネルギーの環境価値を切り離して売買できる制度です。
国内では、再生可能エネルギーの活用によるCO₂の排出削減量や、適切な森林管理によるCO₂の吸収量を、国がクレジットとして認証する「Jークレジット」のほか、「非化石証書」や「グリーン電力証書」があります。
手軽に再生可能エネルギーを導入できるとともに、ほかの手段で賄えなかった電力を再生可能エネルギー化する場合にも有効です。
「J-クレジット制度」ホームページより
PPAモデルでCO₂フリーの電力を使用する
CO₂フリーの電力の導入方法で注目が高まっているのは、PPAモデルによる導入です。PPAはPower Purchase Agreement=電力購入契約の略です。太陽光発電所などを所有する発電事業者から、電力を長期的に購入する契約を結びます。
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PPAモデルの利点は、発電設備の初期投資が必要なく、長期間にわたって固定価格で再生可能エネルギーを安定的に調達できることです。新規に設置される再生可能エネルギーの発電所が対象になります。
PPAモデルには、大きく分けて3つのタイプがあります。1つがオンサイトPPAです。これは事業所内に太陽光発電設備を設置するもので、自家発電に似ていますが、需要家の代わりに発電事業者が設備を所有して、運用やメンテナンスを行います。
2つ目は、事業所に設置場所がない場合に導入するオフサイトPPAです。遠隔地にある再生可能エネルギー発電所から、一般の送配電網を通して電力を調達します。この場合、固定価格買取制度を利用しない非FIT発電所が対象になります。
3つ目は、同じく設置場所がない場合に、より手軽に導入することができるバーチャルPPAです。カーボンオフセットに近い手法で、再生可能エネルギー発電所による電力と環境価値を証書として分離して、長期契約で購入します。電力はすでに契約している事業者から供給されるので、契約変更は必要ありません。
このように、CO₂フリーの電力を導入する方法は多岐にわたっています。再生可能エネルギーなどを活用したCO₂フリーの電力は、かつては「導入したいけどコストが高い」と考えられていましたが、低コストでの導入も可能になっています。
日本がリードするCO₂フリー水素の技術
研究開発が進むCO₂フリー水素
カーボンオフセットの実現に向けて、日本が取り組んでいるのが水素エネルギーの普及です。水素はこれまで主に自動車に使われてきましたが、産業や運輸、家庭などでも活用を広げようと、研究開発が進んでいます。
水素は利用する場面ではCO₂を排出しませんが、現在は石油や天然ガスなどの化石燃料を化学反応させて製造することが一般的で、製造の際にはCO₂が発生します。そこで再生可能エネルギーにより、水を電気分解する方法で製造するのがCO₂フリー水素です。CO₂の排出削減に大きく貢献する次世代エネルギーとして注目されています。
将来的に期待されるCO₂フリー水素による発電
さらに、将来的に期待されているのが、CO₂フリー水素を使った発電です。すでに電力会社によって、水素濃度を高めたガスを使った発電試験などの実証実験が進められています。
近い将来、CO₂フリー水素の製造技術の確立と、CO₂フリー水素による発電が実現すれば、CO₂フリーの電力の選択肢がさらに広がることになります。
CO₂削減効果が大きいCO₂フリーの電力導入
以上のように、企業が脱炭素化を進める場合、発電時にCO₂を排出しないCO₂フリーの電力を導入することで、CO₂排出量の削減に大きな効果が得られます。CO₂フリーの電力の導入方法についてはさまざまながメニュー用意されています。自社にあった導入方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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