※この記事は、2013年10月12日に公開し、追記・加筆して2024年8月12日に再度公開しました。
高圧電力とは?メリットや申込のための準備は
高圧電力のメリットとは
企業に供給される電力の電圧規模は、施設がどれだけ電気を使うかによって変わってきます。一般的に企業に供給されるのは、高圧と特別高圧になります。一般の家庭や中小規模のオフィスで使われているのが低圧です。
高圧電力は、契約電力が50~2000kWの電力を指します。コンビニエンスストアなどの小規模な事業者から、会社の事務所、幼稚園、保育所、病院、工場などが供給の対象になっています。
高圧電力のメリットは、長期的に考えれば費用対効果を得られることです。高圧電力はキューピクルと呼ばれる高圧受電設備を導入する必要があり、初期投資費用はかかります。
高圧電力と低圧電力の違いとは
導入コストがかからないのは、低圧電力が50kW未満の低圧電力です。機器を新たに導入する場合を除いて、初期投資は不要です。
それでも、高圧電力は、低圧電力に比べると料金単価が割安に設定されていることから、電気料金自体は安く抑えることが可能になります。
高圧電力申込前に使用量見込みを算出
高圧電力の申込をする前には、どれだけの使用量があるのかを確認しておく必要があります。というのも、高圧電力の場合、契約した容量が大きくなればなるほど、基本料金が高くなるからです。
一般的には高圧電力の料金は、次のような仕組みになっています。
高圧電力の料金=基本料金+電力量料金+再エネ賦課金+燃料調整費
さらに、基本料金は次の式で求められます。
基本料金=単価×契約電力×力率割引
単価は、1kWあたりの単価です。力率とは、電源から送り出された電力に対して、実際にどれくらいの電力が消費されたのかを表すものです。一般的なメニューだと力率が85%を上回ると1%ごとに基本料金が割引されます。逆に下回ると、1%ごとに基本料金が割り増しされます。
実際に使用する量よりも過剰な容量のプランを契約してしまうと、使わない容量分の電気料金を無駄に払うことになってしまいます。事前に電力量を確認した上で、電力会社各社のプランを比較し、電力会社に見積もりを依頼します。
高圧電力の契約電力の決め方と申込の手順
高圧電力の料金と東京電力の基本料金
高圧電力の料金がどのようになっているか、東京電力を例に見てみましょう。東京電力の高圧電力の料金は、契約電力500kW以上と、500kW未満の契約にわかれています。
また、それぞれ、夜間、日曜、祝日などに電気の使用量が多い事業者向けの「業務用季節別時間帯別電力」と、平日の昼間に電気の使用料が多い事業者向けの「業務用電力」のプランが用意されています。
高圧電力申込のために電気主任技術者を専任
次に、高圧電力の申込と契約の手順について見ていきます。
高圧電力を契約するためには、専門知識を持つ電気主任技術者を選任する必要があります。電気主任技術者は、電気事業法に基づく国家資格です。
というのも、高圧電力の場合は一般家庭の低圧電力と異なり、不特定多数の人が出入りする場所に送電します。工場の場合は、危険物を置いているケースもあります。
また商業施設などで電気の供給が止まるようなトラブルが起きると、業務やお客様に大きな支障を与えることになります。そのような事態を起こさないように、設備の定期的な保守点検を行うのが、電気主任技術者です。また、トラブルが発生した場合にも対応します。
電気主任技術者を選任しなかった場合には、罰則が科されます。電気主任技術者を選任しなかった場合は300万円の罰金、主任技術者選任の届け出を怠った場合や虚偽の届け出をした場合には30万円以下の罰金です。
点検を行わなかったことが明らかになると、施設の立ち入り検査が行われ改善指示を受けるほか、最悪のケースでは事業用電気設備の設置許可が取り消されてしまうこともあります。外部委託や外部選任も可能ですので、電気主任技術者は、必ず確保しましょう。
高圧電力申込票に記入する手順
電気主任技術者が確保できたら、高圧電力申込票に記入します。申込票は各電力会社のホームページからダウンロードできるほか、インターネットで申込ができる会社もあります。書面による申込みについては終了している電力会社もあります。
申込書には、現在の契約と申込内容を記載します。主任技術者については、氏名や法人名、連絡先、外部委託かどうかなど、詳細な記入が必要です。
契約電力が500kW未満の場合と、500kW以上の場合では、申込書のフォームが異なります。500kW未満は直近12か月の最大仕様電力量で決まる実量制、500kW以上は電力会社との協議による協議制によって契約電力が決まります。
高圧電力の申込後のスケジュールは
高圧電力の工事は契約後1か月前後で実施
申込後、電力会社との事前協議が終わると、正式に契約を結びます。契約が完了すると、高圧電力設備の工事日を決めることになります。
高圧受電設備は設置スペースが必要になるほか、周囲の環境によっては引き込み場所が制限される場合もあります。事前に調べて計画を立てておきましょう。
契約から工事日までの日数は、電力会社によって異なりますが、通常は1か月前後となっています。
高圧電力の工事の費用負担は
高圧電力の工事は、その内容によって電力会社から負担金を求められることがあります。費用の負担については、事前の協議でしっかり確認しましょう。
高圧電力を契約する電力会社を選ぶには
高圧電力の導入を検討する際には、電力量やプラン、工事費の負担の有無などとともに、自社の環境にあったプランやサービスを選ぶことが必要になります。また、同じ電力会社でプランを切り替えることもできます。
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