再エネ補助金を企業が利用するメリット
日本の再エネ導入の状況
特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所によりますと、2022年の国内の全発電電力量に占める自然エネルギーの割合は、前年の22.4%から微増の22.7%でした。
その主な内訳は、太陽光発電が9.9%、バイオマス発電が4.6%となっています。太陽光は0.6ポイント、バイオマスは0.5ポイント増加しました。その一方で、水力発電が前年より0.7ポイント減少して7.1%、風力発電は前年より0.3ポイント減少して0.85%でした。
自然エネルギーに対して、化石燃料による火力発電の電力量の割合は、前年よりも0.7ポイント増の72.4%を占めています。世界的に気候変動対策が求められている中で、日本の再エネの導入状況はまだまだ十分ではありません。
再エネの導入が進んでいるのは、ヨーロッパの国々です。2022年には自然エネルギーの年間発電電力量の割合が40%を超えている国も多く、EU27か国全体の平均でも38.4%に達しています。
また、中国も水力発電に加えて風力や太陽光の導入がこの10年で急速進み、自然エネルギーの割合は2022年に30.8%に達しました。このように、海外と比べても、日本の再エネ導入は高い水準にあるとはいえない状況です。そのためにも、再エネを拡大する政策が今後も重要になっています。
企業が再エネ補助金を利用するメリット
再エネを拡大するための政策の一つに、再エネを導入する企業向けの補助金や助成金があります。環境省が発表している日本における二酸化炭素排出量の内訳を見ると、企業や公共部門関連による排出量が約8割に及び、家庭からの排出量は2割程度です。企業への再エネ導入を促進することが、二酸化炭素を含む温室効果ガスの大幅削減につながると考えられています。
企業が補助金などを活用して再エネを導入した場合、大きなメリットは初期費用が抑えられる点です。自社の敷地内に自家消費型の太陽光発電設備などを設置するケースだけでなく、地域との共生を前提とした上で農地やため池などに太陽光発電設備を設置するといった、新たな手法による再エネ導入なども補助の対象になっています。
もちろん、再エネを導入すること自体にもメリットがあります。一つは、中長期的な光熱費や燃料費の削減です。2022年以降、化石燃料の高騰やロシアによるウクライナ侵攻によって、光熱費と燃料費は高騰しています。再エネの導入は、経営的な観点からも重要になってきています。
もう一つは、資金調達に有利に働くことです。金融機関では、脱炭素経営を進める企業への融資条件を優遇する取り組みも行われています。さらに、優位性の構築や、再エネ導入企業として認知されることなどのメリットがあるほか、気候変動問題に取り組む企業と認知されることで、人材の獲得にも有利に働く可能性があります。
環境省による企業向け再エネ関係補助金
環境省の民間企業向け再エネ補助金一覧
環境省ではホームページに「脱炭素化事業支援情報サイト」(エネ得ポータル)を開設し、脱炭素化に向けた取り組みを支援するための補助事業や委託事業の一覧を掲載しています。
この中には、民間企業が利用できる補助事業もあります。2023年10月現在、令和5(2023)年度予算の補助事業と、令和6(2024)年度予算で概算要求中の補助事業などが掲載されています。
毎年実施されている補助事業の一つが、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」です。民間企業による自家消費型や地産地消型の再エネ導入を促進して、再エネの主力化とレジリエンス強化を図ることを目的にしています。
事業には大きく分けて7つのメニューがあり、諸費費用ゼロでの自家消費型太陽光発電や蓄電池の導入支援から、地産地消型の再エネ導入支援、関連設備の導入支援などがあります。メニューの一部には、総務省、農林水産省、経済産業省と連携したメニューもあり、幅広い業種やいろいろな地域で利用できる補助金が用意されています。
再エネを活用した事業に関する補助金
また、再エネの導入以外でも、再エネを活用した事業に関する補助事業や委託事業もあります。地方公共団体がゼロカーボンシティを実現するための基盤整備や、再エネ活用の実証実験、脱炭素社会の実現に向けた取り組みや施策の情報発信など、さまざまな業種の企業が応募できる委託事業もあります。
この他にも、多くの補助事業があります。環境省のホームページから一覧が確認できます。
令和5年度予算 及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧
令和6年度概算要求 脱炭素化事業一覧
企業による再エネの活用方法は
資源エネルギー庁などによる再エネ補助金も
環境省以外でも民間企業が利用できる再エネ導入の補助事業があります。資源エネルギー庁では、「需要家主導太陽光発電導入促進事業費」の公募を毎年実施しています。
この事業では、需要家が発電事業者と連携して行う太陽光発電設備などの導入について、経費の一部を助成します。対象となるのは特定の需要家に電気を供給するために新たに太陽光発電設備を設置・所有する事業者で、8年以上にわたって発電した電気の7割以上を利用する契約を結ぶことなどが条件となっています。
令和5年度の募集はすでに終わっていますが、令和6年度も概算要求が出ていますので、予算確定後に情報を確認してみてはいかがでしょうか。
再エネ導入以外で再エネ100%を達成するには
自家消費型の太陽光発電を導入する以外にも、再エネ100%を達成する方法があります。1つは、J-クレジットやグリーン電力証書、非化石証書などの環境価値を購入すること。もう1つは、電力会社から再エネで発電された電気を購入することです。電力会社から再エネ電気を購入する場合には、電力会社やプランを選んで切り替えるだけですので、簡単な手続きで再エネ100%を達成できます。
エバーグリーンでも、全国の法人向けに再生可能エネルギー由来のCO2フリープランをご用意しています。再生可能エネルギーで発電された電力に、非化石証書を組み合わせることで、実質的に再エネ100%を実現するプランです。国際的なイニシアティブのRE100やCDPへの報告にも活用できます。詳しくはこちらをご覧ください。
エバーグリーン・マーケティング株式会社では法人を対象に、エバーグリーン・リテイリング株式会社では個人を対象に、【再生可能エネルギーをもっと身近に、グリーンが当たり前の社会を目指して】CO₂排出係数をゼロにしつつ経済性も考慮した電気を販売しています。
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