企業に環境問題の取り組みが求められる理由
SDGsから見た環境問題と企業の関係
環境問題は、人々の活動により地球環境に変化が生じることで起きる問題のことです。2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す目標のSDGsに盛り込まれた17の目標にも、環境問題の解決を目指す目標がいくつかあります。
そのうちの1つが、目標13の「気候変動に具体的な対策を」です。このまま対策を打たなければ、産業革命前と比べた世界の気温上昇は2035年までに1.5度を超え、2100年までに2.5度上昇すると見られています。そうなると海面上昇や異常気象によって、災害などが多発することが予想されます。
また、気候変動以外にも、目標3の「すべての人に健康と福祉を」では大気汚染を抑えることを掲げているほか、目標6の「安全な水とトイレを世界中に」では水質汚濁を、目標14の「海の豊かさを守ろう」では海洋汚染を防ぐことを目指しています。こうした環境問題が起きている原因の大部分は、企業による活動が占めているのです。
環境問題の解決には企業の取り組みが必要
環境問題を解決するための重要な取り組みが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減です。日本は温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2050年までに達成することや、2030年までに温室効果ガスの排出を2013年に比べて46%削減する目標を掲げています。ただ、目標達成は非常に厳しい状況です。
現状の排出量の内訳を見ると、日本でも企業活動による排出が大変を占めていることがわかります。環境省によりますと、日本の部門別の二酸化炭素排出量の割合は、電力及び熱の生産者側の排出量である電気・熱配分前では、エネルギー転換部門からの排出の割合が最も高く、40.4%を占めています。それに産業部門の25.3%、運輸部門の16.7%が続き、家庭部門はわずか4.8%しかありません。
(図)2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要|環境省・国立環境研究所
一方、電力及び熱の消費量に応じて、消費者側の各部門に配分した電気・熱配分後の排出量を見ると、産業部門の排出の割合が35.1%と最も高く、業務その他部門が17.9%、運輸部門が17.4%となっていて、家庭部門からの排出は14.7%でした。
このように、電力や熱を生産する場合でも、電力や熱の配分を受けたあとでも、企業が温室効果ガスの排出を削減することが、カーボンニュートラルの達成に大きく貢献します。環境問題に取り組むことは企業に課せられた大きな挑戦といえます。
環境問題への取り組みが企業にもたらすメリット
企業の環境問題への取り組みとESG投資
もちろん、企業が環境問題に取り組むことで得られるメリットもあります。温室効果ガスの排出削減や資源の循環、エネルギーの効率化など、環境への負荷を減らすことによって、自社の事業や経営が持続可能なものになります。そのための設備投資やイノベーションに取り組む際、金融機関からの融資が得られやすくなるなど、資金調達にもメリットが生まれます。
資金調達の具体例にはグリーンファイナンスが挙げられます。これは地球温暖化対策や再生可能エネルギーの導入な度に取り組む際、必要な資金を調達するための債券や借入金です。債券の場合はグリーンプロジェクトに投資する目的で国や自治体が発行する公債や、民間企業の社債などのグリーンポンドがあるほか、借入金の場合は金融機関による融資のグリーンローンなどがあります。
また、環境や社会に配慮したビジネスを実施していて、ガバナンスにも優れている企業は、ESG投資の対象にもなります。ESGは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の略です。環境には、地球温暖化対策、廃棄物の適正な管理、それにエネルギーの効率化などが含まれます。ESG経営に積極的に取り組む企業は、社会からの信用が高まり、資金調達にも有利になると考えられています。
環境問題への取り組みを進める企業への評価は
資金調達以外にも得られるメリットはあります。それは企業の評価が高まることです。環境問題に取り組む企業は社会的責任を果たしていると評価され、企業イメージの向上につながります。従業員のモチベーションを高めることや、採用など人材の確保でも優位性を保つといったメリットも考えられます。
また、環境問題をはじめ人や社会、地域に配慮した企業活動は、「倫理的な」という意味のエシカルな活動として評価されます。
近年はヨーロッパやアジアなどを中心に、エシカルな視点によって環境に配慮した商品やサービスを選ぶ、エシカル消費が広がっています。企業がエシカルな活動を行うことによって自社の商品やサービスの評価が高まり、国内だけでなく海外にビジネスを展開する際にも有利に働く可能性があります。
このように、企業が環境問題に取り組むことには、さまざまなメリットがあるといえます。
環境問題を改善する企業の取り組みは
企業による環境問題への取り組みの事例
国内の企業でも環境問題に取り組んでいる企業は多数あります。その中でも、脱炭素に向けたイノベーションに取り組む企業については、経済産業省が「ゼロエミ・チャレンジ企業」と位置付けて公表しています。2021年の時点で、上場・非上場企業を合わせて600社以上が公表されています。
経済産業省|ゼロエミチャレンジ企業リストhttps://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/zero-emission_challenge/index_zeroemi.html
大企業だけでなく、中小企業でも環境問題や環境ビジネスに取り組む企業が増えています。経済産業省関東経済産業局では、中小企業による環境ビジネスの取り組み事例をホームページで公表しています。
経済産業省 関東経済産業局|環境ビジネスの取り組み事例https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/recycle/business_jirei.htmlssp=1&darkschemeovr=1&setlang=ja&cc=JP&safesearch=moderate
この中では、リサイクル資源を100%利用したペットボトル飲料水を製造・販売している企業や、小規模分散型の水循環システムや水処理自律制御システムなどを開発する企業、地元で育てた豚の皮を有効利用して革製品を製造する企業などが紹介されているほか、先進的なビジネスモデルの事例なども掲載されています。
環境問題には前述したように気候変動や大気汚染、水質汚濁、海洋汚染など、さまざまなテーマがあります。環境保全活動に取り組むことだけではなく、自社の技術を生かすことができる場合は、環境ビジネスに取り組むことも意義のあることではないでしょうか。
企業による環境問題の取り組みとエネルギー
以上のように、企業が環境問題に取り組む切り口は数多くあります。特に、気候変動対策に寄与する温室効果ガスの排出削減などは、比較的取り組みやすいテーマといえます。
その中でも導入しやすいのは、太陽光などによる再生可能エネルギーによって発電された電力を利用することです。
再生可能エネルギーを利用することで脱炭素を目指す企業は、海外でも日本国内でも増加傾向にあります。事業で用いる電力を100%再生可能エネルギー賄うことを目指す国際イニシアチブのRE100(Renewable Energy 100%)には、2023年3月までに世界で399社が参加し、日本企業も78社が参加しています。
自社で太陽光発電などの設備を導入することなく、再生可能エネルギーを利用する方法もあります、それは、電力会社が提供する再生可能エネルギーによって発電された電力を購入することです。
エバーグリーンでは、電力使用によるCO₂の排出量がゼロになるCO₂フリープランを提供しています。再生可能エネルギーを電源として発電され、固定買取制度によって電力会社に買い取られたFIT電気と、環境価値をもつ非化石証書を利用して、実質的に再生可能エネルギ-100%での調達を実現しています。RE100や、気候変動や水などの環境分野に取り組む国際イニシアチブのCDPへの報告にも活用できます。
CO₂フリープランを利用するには設備投資などは必要なく、プランの申し込みだけで手軽に切り替えることができます。これから環境問題への取り組みを検討している企業は、まずCO₂フリープランなどで電力使用によるCO₂排出ゼロから取り組んでみてはいかがでしょうか。
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