CO₂排出係数とは?CO₂排出量の計算方法を解説

ビジネス関連
2024年2月18日

企業が自社のCO₂排出量を算出するために必要になるのがCO₂排出係数です。今回はCO₂排出係数を使ったCO₂排出量の計算方法などについて解説します。

目次

【目次】

CO₂排出係数とは

電気事業者別のCO₂排出係数は

CO₂排出係数とCO₂排出量の計算方法

企業がCO₂排出係数を知ることの意義は

 

※この記事は、2024年2月18日に公開した記事ですが、追記更新し、2024年10月31日に再度公開しました。

CO₂排出係数とは

 

CO₂排出係数の定義は


CO₂排出係数とは、電力会社が1kWhの電気を作り出すために、どれだけのCO₂を排出しているのかを示す数値です。単位はkg-CO₂/kWhとなっています。

電気を作り出す際のCO₂排出量が少ないほどCO₂排出係数は低くなるほか、再生可能エネルギーによって発電した場合はCO₂を排出しないので、CO₂排出係数はゼロになります。電力会社によって火力発電の燃料や再生可能エネルギーの割合などに違いがあることから、電力会社ごとにCO₂排出係数は異なります。

CO₂排出係数の種類は

 
CO₂排出係数の種類は2つあります。基礎排出係数と調整後排出係数です。基礎排出係数は、電気事業者が供給した電気について、発電の際に燃料の燃焼によって排出されたCO₂の量を、供給した電力量で割ったものです。

調整後排出係数は、電気事業者が再生可能エネルギーの固定価格買取制度で買い取った電力量や、固定価格買取制度以外で調達した非化石電源による電力量などを調整して算出されたCO₂排出係数です。

 

 

温室効果ガスの排出量が多い企業が国に排出量を報告する際には、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づいて、基礎排出係数と調整後排出係数の両方を使ってCO₂排出量を算定する必要があります。CSR報告書などでのCO₂排出量算定では、どちらも使うことができますが、調整後排出係数を使った方が、より実態に即した排出量を計算できると考えられています。

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電気事業者別のCO₂排出係数は

 

東京電力など電気事業者別のCO₂排出係数

 
温室効果ガスの排出量算定に使うための、電気事業者ごとの基礎排出係数と調整後排出係数は、環境省のホームページで公表されています。2023年6月23日時点では、2021年度の電気事業者別の排出係数が公表されています。

環境省「令和3年度の電気事業者ごとの基礎排出係数・調整度排出係数等(一部追加・更新)の公表について」https://www.env.go.jp/press/press_01075.html

主な電気事業者の2021年度実績の基礎排出係数は、次のようになっています。

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調整後排出係数については、電気事業者ごとに複数のメニューが用意されていることが多く、CO₂排出係数がゼロになるメニューもあります。

全国平均CO₂排出係数とは


環境省は全国平均CO₂排出係数(以下、全国平均係数)を、年度ごとに公表しています。これは、日本国内から排出されるCO₂の総排出量を求める際に使われているほか、調整後排出係数の算出などにも使われます。

環境省によるCO₂排出係数一覧

環境省によるCO₂排出係数一覧によると、2021年度の全国平均係数は0.000434です。当初、0.000435と発表されていましたが、電気事業者のCO₂排出係数の算定に一部誤りがあったことから修正されました。

CO₂排出係数とCO₂排出量の計算方法

 

電気事業者のCO₂排出係数の計算方法


ここからは具体的な計算方法について見ていきます。まず、電気事業者のCO₂排出係数は、次のような計算式で求められています。

CO₂排出係数(kg-CO₂/kWh)=CO₂排出量÷販売電力量

全国平均係数でCO₂排出係数を比較する

CO₂排出係数は、数値が高いほどより多くのCO₂を排出していることを意味します。基礎排出係数を全国平均係数と比べてみると、各電力事業者の係数が高いのか、低いのかが判断しやすくなります。

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CO₂排出係数を使った企業のCO₂排出量の計算方法


企業が自社が使用した電力についてのCO₂排出量は、次の計算式で算出できます。

企業のCO₂排出量=年間の電気使用量(kWh)×CO₂排出係数(kg-CO₂/kWh)

CO₂排出係数は、使用している電気事業者のものを使用します。電力使用量が同じ場合は、CO₂排出係数が低いほどCO₂排出量は小さくなります。

企業がCO₂排出係数を知ることの意義は

 

CO₂排出量の把握にはCO₂排出係数の管理が必要


企業がCO₂排出係数を知り、CO₂排出量の把握をする必要がでてきたのは、2006年の温対法の改正によって、排出量が規定値を超える事業者に対しての報告義務が定められてからです。

温対法が制定されたのは1998年で、前年に京都で開催された気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)がきっかけです。COP3では京都議定書が採択されて、世界各国の事業者や自治体、国民が一体となって温室効果ガス排出量削減に取り組む流れができました。

カーボンニュートラルに必要なCO₂排出係数の管理

その流れは加速し、日本では2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラル目指すことを2020年10月に宣言。翌2021年4月には、2030年度までに2013年度と比べて温室効果ガスを46%削減し、さらに50%に向けて挑戦を続けることを表明しました。

しかし、目標達成は容易ではありません。特に、企業の削減努力がなければ目標にはたどりつけません。CO₂排出量削減に向けた第一歩が、自社のCO₂排出量の把握です。そのためには、CO₂排出係数を知り、適切に管理することが必要です。

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CO₂排出係数が低い電力を選んでCO₂排出量を削減する


企業がCO₂排出量削減に取り組む方法としては、電力量の使用を抑えるのも一つの方法です。加えて、CO₂排出係数の低い電力を選ぶことの効果も大きいと考えられています。実際に、CO₂排出係数を利用してCO₂排出量削減に取り組む企業が増えています。

その際には、電力事業者ごとのCO₂排出係数を比較するだけでなく、電力事業者によっては複数用意しているメニューも比較する必要があります。再生可能エネルギーの使用比率が高いメニューであれば、CO₂排出係数が低くなるか、ゼロになるケースもあります。

エバーグリーンでも、電気のCO₂排出係数をゼロにする「CO₂フリープラン」を用意しています。CO₂排出量を削減できるとともに、経済的なメリットもあります。詳しくはこちらをご覧ください。

CO₂排出量削減を目指す企業からは、CO₂排出係数の見直しについての関心が今後も高まってくるでしょう。企業の環境やサステナブルに関する活動に、CO₂排出係数を役立ててみてください。

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