CO₂フリー電力とは?メリットなどを解説

ビジネス関連
2024年10月18日

企業にも脱炭素の取り組みが求められる中で、CO₂フリーの電力の活用が広がっています。CO₂フリー電力の概要や、メリット、デメリットなどについて解説します。

目次

【目次】

CO₂フリー電力とは

CO₂フリー電力のメリットとデメリット

企業がCO₂フリー電力を導入するには

CO₂フリー電力とは

CO₂フリー電力の定義とは


CO₂フリー電力は、CO₂が排出されない発電方法で作られた電力のことです。日本国内の2022年度の発電割合を見ると、化石燃料による発電が72.7%と7割以上を占めています。化石燃料とは、石油や石炭、天然ガスのことで、発電の際にはCO₂を大量に排出します。

また、2019年のデータでは、日本の二酸化炭素の排出量のうち、電力部門による排出が4割を占めていることが分かっています。つまり、日本では発電の際に排出される二酸化炭素の量が、全体の排出量でも大きな比重を占めているのです。

その一方で、化石燃料を使用しない発電方法には、原子力発電と再生可能エネルギーによる発電があります。このうち、再生可能エネルギーの2022年の発電割合は21.7%を占めており、増加傾向にあります。この再生可能エネルギーによって作られた電力を、CO₂フリー電力と定義することができます。

CO₂フリー電力の種類とは

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CO₂フリー電力は、さまざまな発電方法によって作られています。近年発電量が増加しているのが太陽光発電です。日本国内の全発電電力量に占める太陽光発電の電力量の割合は、2016年の4.4%から2022年には9.9%にまで伸びています。

水力発電もCO₂フリー電力を生み出している重要な発電方法です。2022年は全発電電力量の7.1%を占めています。水力発電に関しては、2016年以降は7%台で推移していて、安定供給ができるCO₂フリー電力として国内では定着しています。

その他のCO₂フリー電力には、バイオマス発電、風力発電、地熱発電などがあります。2022年の割合で見ると、バイオマスは4.6%で増加傾向を示しています。風力は0.9%、地熱は0.3%と割合が低いものの、政府は風力発電の拡大を推進しています。

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CO₂フリー電力の活用が広がっている背景は

このように、全体としてはCO₂フリー電力の割合は増加傾向を見せています。その背景には、世界的な脱炭素に向けた動きがあります。2015年にフランス・パリで開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で、2020年以降の温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組みであるパリ協定を採択しました。

パリ協定では、産業革命以前に比べた気温上昇を2度に抑えることと、1.5度に抑える努力を追求することなどが定められています。この目標を実現するために、各国がCO₂などの温室効果ガスの削減目標を立てて、5年ごとに更新する取り組みを進めています。

日本も2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルを宣言しました。さらに2021年4月には、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度と比べて46%削減する目標と、50%削減に向けた努力を続けると表明しています。こうした動きからCO₂フリー電力の拡大が進められ、電力を大量消費する企業にも利用が広がっているのです。


CO₂フリー電力のメリットとデメリット

CO₂フリー電力のメリットは


CO₂フリー電力を活用することには、さまざまなメリットがあります。まず、環境への影響が少ないことです。これまで見てきたように化石燃料を燃やすことがないためCO₂などの排出を抑えることができて、地球温暖化の防止に貢献できます。

また、持続可能なエネルギーが生み出す電力であることも大きなメリットです。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは枯渇する心配がありません。地熱も現在は活用が一部の地域でしか活用が進んでいませんが、火山の多い日本は世界第3位の地熱資源量があることから、今後の活用に大きな可能性を秘めています。

さらに、再生可能エネルギーが拡大することで、エネルギーの自給率を高めることもできます。化石燃料は輸入に頼っているのが現状で、近年はエネルギー価格の高騰が課題になっていることから、自然のエネルギーや国内の資源で発電できるCO₂フリー電力の拡大が求められています。

CO₂フリー電力のデメリットは


一方で、CO₂フリー電力にはデメリットもあります。大きなデメリットは、太陽光や風力発電は発電効率が変動することです。太陽光は天候や時間帯によって、十分に発電できる場合とそうではない場合があります。風力も、風の強さによって発電効率が変わります。

このため、発電量が一定にならないために、電力が過剰に発生するときもあれば、不足するときもあります。安定供給が難しいことも、CO₂フリー電力のデメリットとなっています。

水素の活用など次世代のCO₂フリー電力の現状は


現在開発が進められている新しい技術に、水素を活用した発電があります。水素による発電は、水素がどのように作られたのかによって、CO₂フリーかどうかが決まります。

化石燃料を化学反応させて水素を製造する場合には、製造過程でCO₂が発生します。これに対して、再生可能エネルギーを利用して水を電気分解する方法で製造された水素はCO₂フリー水素となり、この水素を使って発電すればCO₂フリー電力を生み出すことができます。

CO₂フリー水素の製造と、水素による発電は、企業や研究機関などが実証を行いながら開発や実用化を進めています。将来的には大規模な製造が可能になることが期待されています。

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企業がCO₂フリー電力を導入するには

中小企業でもCO₂フリーの電気を利用できる


CO₂フリーの電力を利用できるのは、大企業だけではありません。中小企業でも利用できる方法があります。代表的な方法は、太陽光などを使った自家発電や、発電事業者が再生可能エネルギー設備から電力を購入するPAA(Power Purchase Agreement=電力購入契約)モデル、それに再生可能エネルギー由来の電力を購入することです。

地球温暖化対策の推進に関する法律では、特定の基準を満たす企業などは温室効果ガスの排出量を自ら算定し、国に報告することが義務付けられています。その際、再生可能エネルギー由来の電力を利用することで、CO₂排出量を算定する際に必要なCO₂排出係数がゼロになります。その結果、CO₂フリーの電力を利用した活動に関しては、企業のCO₂排出量をゼロにすることができます。

CO₂フリー電力の自家発電と価格


エネルギー価格の高騰が課題になっている中で、自家発電が注目を集めています。その中でも導入が拡大しているのが、自家消費型太陽光発電です。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度であるFIT制度が始まった2012年当初は、電力の買取価格が高かったため、売電を目的とした太陽光発電を導入する企業が主流でした。それが、現在ではFIT制度の買取価格が低くなる一方で、購入する電力の価格が高くなっているため、企業によっては太陽光を自家発電した方がコストメリットを得られるケースが出てきています。

太陽光発電ができる昼間の時間帯を中心に稼働する工場などの場合は、蓄電池などを利用すれば、消費する電力のかなりの部分を自家発電で賄うことができます。太陽光の自家発電は、CO₂フリー電力の利用でコストメリットが得られる方法の一つと言えます。

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電力会社のCO₂フリープランなどのメニューを選ぶ

最も簡単に企業がCO₂フリー電力を利用できる方法が、電力会社のCO₂フリープランを選ぶことです。CO₂フリープランなどを提供している電力会社と契約するか、現在契約している電力会社がCO₂フリープランを提供していればメニューを切り替えるだけで移行できます。設備投資などもかからないので、最も簡単な導入方法と言えます。

エバーグリーンでも法人向けにCO₂フリープランを提供しています。太陽光発電やバイオマス発電などのCO₂を排出しない環境価値を持つ非化石証書を利用して、実質的にCO₂フリーの再生可能エネルギー100%で電力を調達することを可能にします。また、環境問題に取り組む国際イニシアチブのRE100やCDPへの報告にも活用できます。詳しくはこちらをご覧ください。

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