コーポレートPPA(Corporate Power Purchase Agreement)は、企業が直接電力を発電事業者から購入する契約です。
これは、特に企業や自治体が再生可能エネルギーの調達を行う際に用いられる契約形態で、企業が電力の供給元を直接選ぶことができます。
コーポレートPPAは企業にとってエネルギーコストの安定化や持続可能性の目標達成に寄与するため、最近では多くの企業や自治体に採用されています。
以下に、コーポレートPPAの特徴と課題について詳しく説明します。
コーポレートPPAの3つの特徴
- 1. エネルギーコストの固定化
一般的な電気の契約は、燃料価格や電気の卸価格に応じて価格が上下しています。
これにより企業は将来に渡るコストの予見性を持つことができませんでした。
しかしコーポレートPPAでは、太陽光発電や風力発電などの燃料価格の変動に左右されない再生可能エネルギー由来の電気を発電事業者から直接電力を購入するため、契約期間中の電力価格を固定することができます。
これにより、企業はエネルギーコストを安定化させることができ、予算の予見性を高めることができます。特に電力価格が変動する市場では、価格の変動リスクを軽減するための有効な手段となります。
- 2. 持続可能性の目標達成
昨今は世界規模で脱炭素が潮流となっており、多くの企業は持続可能性やカーボンニュートラルを目標に掲げています。
コーポレートPPAを通じて再生可能エネルギーを調達することで、企業は自社の温室効果ガス排出量を削減し、持続可能性の目標を達成することができます。
再生可能エネルギーの利用は、企業の環境への貢献を示す一つの方法であり、企業のブランドイメージの向上にもつながり、またESG投資などを誘致し資金調達にも役立つ素材となります。
- 3. 長期契約による安定的な供給
コーポレートPPAは通常、長期契約(例えば10年~20年)であり、これにより発電事業者は安定的な収入源を確保し、企業は安定的な電力供給を受けることができます。
長期契約は発電事業者にとって資金調達の確保にも寄与する為、結果的に企業にとっても長期で安定的に電力供給を受ける事ができるようになります。
コーポレートPPAの課題は長期契約
コーポレートPPAでは、発電事業者がプロジェクトの初期投資を行い、その費用を回収するために長期間の契約を結ぶことになるのが一般的です。企業としては契約によって長期的なコミットメントを求められるため、それを加味したリスク評価が必要になります。
例えばコーポレートPPAを契約する時、事業の撤退や縮小が見込まれる場合は、将来的に契約した電力量を引き取るのが困難になるかもしれません。
(出典:環境省|オフサイトコーポレートPPAについて)
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結論
コーポレートPPAは、企業が再生可能エネルギーを長期的に安定して調達するための強力な手段です。
エネルギーコストの固定化、持続可能性の目標達成、長期的な供給安定性といった特徴があり、企業にとって重要な戦略となります。ただし、契約の長期性に伴うリスク評価などの課題も存在します。
エバーグリーンではこれらの課題に対処しながらコーポレートPPAを展開することで、様々な企業の持続可能なエネルギー戦略を実現しながら、エネルギーコストの安定化に貢献します。
ワンポイントアドバイス|コーポレートPPAの種類
コーポレートPPAにはいくつかの種類があり、企業のニーズやプロジェクトの特性に応じて選ばれます。主な種類には以下があります:
1.フィジカルPPA
送電網を介して企業が実際に発電所から直接電力を受け取るタイプのPPAです。電力は発電所から企業の施設まで送電され、企業はその電力を実際に使用します。電気料金は固定価格で契約することが一般的です。
(出典:経済産業省 | 再エネ価値取引市場について)
2. バーチャルPPA
フィジカルPPAと異なり、物理的な電力の引き渡しは行われません。電力市場での取引を通じて価格差を調整する形態です。企業は予め発電事業者と取り決めた電力価格と、電力市場から調達した電力の価格差に基づいた差額決済を行う事が一般的です。バーチャルPPAでは、電気とは別に、発電事業者が再生可能エネルギー証書を企業に提供する事で、企業は再エネの電気を利用したことを証明できるようになり、結果、企業の持続可能性目標に貢献します。
(出典:経済産業省 | 再エネ価値取引市場について)