【2024年最新】GX実行会議とは?基本方針や現状などについて解説

ビジネス関連
2024年11月14日

GX実行会議は、化石燃料中心の経済・産業構造などをクリーンエネルギー中心に移行しようと、政府が設置しているものです。GX実現に向けた基本方針や現状などについてお伝えします。


目次

【目次】

GX実行会議とは

GX実行会議とGXの進捗状況

GX実行会議と今後のGX戦略

GX実行会議とは

GX実行会議とGX実行推進担当大臣


GX実行会議は、産業革命以来続いている化石燃料中心の経済、社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させて、経済社会システム全体を変革するGX(グリーン・トランスフォーメーション)の実行を目的に、2022年7月に設置されました。あわせてGX実行推進担当大臣が新設され、経済産業大臣が兼務しています。

会議の構成は次のようになっています。議長は内閣総理大臣が、副議長はGX実行推進担当大臣と内閣官房長官が務めるほか、外務大臣、財務大臣、環境大臣のほか、民間や学識経験者などの有識者が構成員となっています。

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GX実現に向けた基本方針策定の背景とは


GX実行会議では、「GX実現に向けた基本方針」の取りまとめを行って、2023年2月に閣議決定されました。

基本方針が策定された背景には、前年2月のロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギーの安定供給と確保が世界的に大きな課題となっていることが挙げられます。エネルギーの安定供給と経済成長を同時に実現するために、2つの取り組みが進められることになりました。

1つは徹底した省エネルギーに加え、再生可能エネルギーや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換など、GXに向けた脱炭素の取り組みを進めること。もう1つは、 GXの実現に向けて、「GX経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」を実現し、実行することです。 

GX実行会議とGX推進法

 
GX実行会議で取りまとめた「GX実現に向けた基本方針」に基づき、2023年5月に成立したのがGX推進法です。正式名称は、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」で、政府の脱炭素戦略を盛り込んだものです。

具体的には10年間で官民あわせて150兆円を超える脱炭素投資を進めることで、2050年のカーボンニュートラル達成と、国内企業の競争力強化や経済成長を同時に実現していくことを目指しています。

GX推進法によって、GX推進戦略の策定・実行、GX経済移行債の発行、成長志向型カーボンプライシングの導入、GX推進機構の設立、それに進捗評価と必要な見直しを進めていくことになりました。

GX実行会議とGXの進捗状況


GX推進戦略を閣議決定


GX実行会議の議論、「GX実現に向けた基本方針」の閣議決定、GX推進法の成立などによって、新たな政策の具体化が進んでいます。そのうちの一つが「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」、いわゆるGX推進戦略の策定です。GX推進戦略は2023年7月に閣議決定されました。

GX推進戦略では、主に2点の取り組みを進めます。1点目は、エネルギー安定供給の確保に向け、徹底した省エネに加え、再生可能エネルギーや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換など、GXに向けた脱炭素の取り組みを進めることです。

2点目は、GXの実現に向けて、GX経済移行債等を活用した大胆な先行投資支援、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用などを含む「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現と実行を行うことです。いずれも基本方針に沿った戦略になっています。

GX経済移行債の発行


GX推進戦略の中でも重要な役割を担うのが、GX経済移行債の発行です。カーボンプライシング導入の結果として得られる将来の財源を裏付けとした20兆円規模のGX経済移行債を、2023年度以降の10年間、毎年度ごとに国会の議決を経た金額の範囲内で発行していきます。

また、これまでの国債と同じように、同一の金融商品として統合して発行することに限らず、国際標準に準拠した新たな形での発行も目指して検討しています。そのためには、市場における一定の流動性の確保や、発行の前提となる民間も含めたシステム上の対応、調達した資金の資金管理などといった課題を解決しながら、国際的な認証を受けて発行していくことが必要になります。

GX経済移行債の償還については、カーボンニュートラル達成目標年度の2050年度までに終える設計となっています。

GX投資支援策と実行状況とは


GXの実現に向けた投資支援策を具体化するために、GX実行会議では分野別投資戦略を2023年12月に取りまとめました。この戦略では、重点16分野について、GXの方向性と投資促進策が取りまとめられています。

重点16分野は次の通りです。鉄鋼、化学、紙パルプ、セメント、自動車、蓄電池、航空機、持続可能な航空燃料(SAF)、船舶、くらし、資源循環、半導体、水素等、次世代再エネ(ペロブスカイト太陽電池、浮体式等洋上風力)、原子力、CCSです。CCSは排出された二酸化炭素を地中に固定化することで、社会全体の排出量を削減するものです。

今後、分野別投資戦略を遂行してくことで、重点分野でのGX投資を促進して、GXの実行を加速していく方針です。

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GX実行会議と今後のGX戦略


GX基本方針と150兆円投資


政府はあらゆる産業でGXを進めていくのに必要な投資額を、2023年以降の10年間で150兆円以上と見込んでいて、官民で150兆円のGX投資を実現していく方針です。

このうち政府の支援額が、前述した20兆円規模のGX経済移行債です。水素やアンモニアの需要拡大支援などの非化石エネルギーの推進に約6兆円から8兆円、需給一体での産業構造の変換や抜本的な省エネの推進に約9兆円から12兆円、資源循環や炭素固定技術などに約2兆円から4兆円を支援する方針です。

一方、官民あわせて150兆円を超える投資は、次のような方針です。再生可能エネルギーの大量購入や原子力の革新炉等の研究開発、それに水素・アンモニアなどをあわせた投資が約60兆円以上、製造業の省エネや燃料転換、脱炭素目的のデジタル投資、蓄電池産業の確立、船舶や航空機産業の構造転換、次世代自動車などに約80兆円以上、それに資源循環産業、バイオものづくり、CCSなどに約10兆円以上となっています。

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GX推進機構を設立


この150兆円超のGX投資を実現するため、2024年4月にはGX推進機構が設立されました。GX推進機構では、債務保証などの金融支援や排出量取引制度の運営、化石燃料賦課金等の徴収を行います。業務の開始は同年7月1日からです。

GX基本方針と今後10年を見据えたロードマップ

GX基本方針に基づいてGXを実現するため、2023年からの10年を見据えたロードマップ が示されています。規制と支援の一体型投資促進策や、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブ、新たな金融手法の活用、国際展開戦略といった全体像のほか、具体的な分野別のロードマップも示されています。

分野別では、水素・アンモニアについては国内導入量を2030年に水素300万トン、アンモニア300万トンにするため、サプライチェーン構築支援制度や拠点整備支援制度を通じて、大規模かつ強靭なサプライチェーンを構築する方針です。

また、蓄電池産業では2030年の150GWhの国内製造基盤の実現、鉄鋼業では2030年のグリーンスチールの1000万トン供給、セメント産業ではカーボンリサイクルセメントへの構造転換を目標に掲げています。各産業の目標実現に向けて、今後10年間にわたって投資が進むように、GX実行会議が中心となって後押ししていく方針です。

中小企業への補助金などGX推進に向けた経済産業省の支援策


経済産業省では大企業だけでなく、中小企業のGXを推進するための支援策を実施しています。その1つがGXサプライチェーン構築支援事業です。これはGX分野の国内製造サプライチェーンを世界に先駆けて構築することを目的とした補助金です。

対象となるのは水電解装置や浮体式洋上風力発電設備、それにペロブスカイト太陽電池などで、補助金の総額は国庫債務負担含め総額4212億円となっています。

このほかにも、蓄電池の製造サプライチェーン強靭化支援事業や、需要家主導太陽光発電導入促進事業など、中小企業でも活用できる補助金が用意されています。特に省エネ補助金については今後3年間で7000億円規模の支援を行う予定で、2024年度からは中小企業の脱炭素につながる電化・燃料転換を促進する類型が新設されています。GXに取り組むことを検討している企業は、国の補助金の動向に注目してください。

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