脱炭素化とは?実現への目標や取り組みまでわかりやすく解説

ライフスタイル
2021年6月30日

今回は、脱炭素化とはどういうものなのか、そして実現するために各国が掲げている目標や取り組みについてわかりやすく解説します。私たちができる身近な取り組みもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

目次

まずは脱炭素化とは何なのか、わかりやすく解説します。

地球温暖化の原因となる炭素を減らそうという運動

脱炭素化とは、地球温暖化の大きな要因となっている、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を抑えようという運動です。

地球温暖化は、人間活動の拡大により温室効果ガスの排出が増えて、大気中の温室効果ガスの濃度が増すことで地表面の温度が上がることを指します。

温室効果ガスの中でも、特に問題視されているのが二酸化炭素の排出量の多さです。

世界の年平均気温の変化を見てみると、1891年の統計が始まって以来、約0.95度の上昇が認められています。

それと比例するように、地球全体の平均二酸化炭素濃度も上昇していて、産業革命前より40%も増加しました。

このことを強く危険視し、炭素の排出が多い化石燃料の使用を控えるなどの取り組みは、脱炭素化の一環です。

【関連記事】地球温暖化と海面上昇の関係とは?海面上昇による影響も解説

「パリ協定」により脱炭素化の動きが加速

「地球環境を守ろう」という声や動きは、これまでにもありました。

たとえば1997年の「京都議定書」は、地球温暖化防止京都会議(COP3)に世界各国から関係者が集い、6種類の温室効果ガスについて、法的拘束力のある排出削減の数値目標などが採択されたものです。

しかし、法的拘束力のある数値目標は先進国だけが対象など、限定的な効果しか期待できませんでした。

一方、京都議定書に代わるものとして2015年に採択された「パリ協定」は、先進国に限らず、参加する国すべてが温暖化対策の対象です。

パリ協定は地球温暖化防止の国際的な枠組みとなり、明確な目標の策定と提出が行われ、一気に脱炭素化に向けて加速が始まり現在に至ります。

【パリ協定の概要】

  • 世界共通の長期目標として産業革命後の気温上昇を2℃以内に抑える事、また1.5℃未満へ抑制する努力を追求
  • 削減目標に対する実施状況についてレビューを受けながら、5年ごとに目標を更新、提出
  • 先進国の資金提供に加え、途上国も自主的に資金を提供すること
  • 二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用
  • イノベーションの重要性の位置付け

脱炭素化は世界共通の目標に

「地球環境を守る」という強い意志の元、脱炭素化の流れが強まり、現在では世界共通の目標となっています。

パリ協定には190以上もの国と地域が参加していて、脱炭素化に向け定めた目標の実現を、それぞれの国・地域が推し進めているところです。

これまでよりも脱炭素社会を身近な存在として認識し、一人ひとりが取り組んでいくことで、より一層目標に近づけるでしょう。

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それでは実際に、日本や世界が脱炭素化に向けて掲げている目標を確認してみましょう。

日本の脱炭素化の目標について、菅総理は2020年10月に行った所信表明演説で、「2050年カーボンニュートラル宣言」をしました。

これは2050年までに、温室効果ガスの排出量をゼロにするという宣言です。

注目すべきは、二酸化炭素だけに限らず、メタンや一酸化炭素など、温室効果ガス全体の排出をゼロにするという内容だったところでしょう。

ただ、温室効果ガスの排出を完全にゼロにするのは難しいのが現状です。

そのため、菅総理は「カーボンニュートラル」の考え方を採用して脱炭素化を目指すことを宣言しました。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの吸収・除去量を排出量から差し引いた合計をゼロにすることで、温室効果ガスの排出を実質的にゼロにすることです。

長期的な目標としてカーボンニュートラルを実現するためには、さまざまな分野での取り組みを強化する必要性があるでしょう。

日本では他にも、次のような目標を掲げています。

  • 2013年度と比べ、温室効果ガスの排出量を2030年度までに26%削減
  • 再生可能エネルギー、循環可能な資源を最大限利用し、低炭素なエネルギーへ転換
  • 徒歩・自転車の活用、輸送手段効率化、公共交通の整備

脱炭素化とカーボンニュートラルの違いは?

脱炭素化は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を抑えてゼロを目指す動きです。

一方、カーボンニュートラルは、温室効果ガスの吸収量と除去量を相殺して、実質的にゼロを目指すことです。

どちらも向いている方向は同じですが、アプローチの方法が異なると言えます。

【関連記事】カーボンニュートラルとは?意味や考え方をわかりやすく解説

次に、世界の主要各国が脱炭素化に向けてどのような目標を掲げているか、その一部をご紹介します。

アメリカ

  • 温室効果ガスの削減目標
    • 2030年までに2005年と比べ、二酸化炭素排出量を50〜52%削減
    • 2050年までに2005年と比べ、温室効果ガスを80%以上削減
  • 低炭素なエネルギーシステムへ転換するため、エネルギー効率の向上と電気の完全な脱炭素化を推し進める。
  • 今後20~35年の間に、森林を約16万~20万k㎡拡大。
  • 部門横断的な国の政策として、クリーンイノベーションを支援するため、クリーンエネルギー分野への持続的な投資を行う。

カナダ

  • 温室効果ガスの削減目標
    • 2030年までに2005年と比べ40~45%削減
    • 2050年までに2005年と比べ80%削減
  • 電力の脱炭素化は、再エネや原子力などによって一層進める。
  • 運輸部門の電化を進め、大規模な燃料転換を行う。

イギリス

  • 温室効果ガスの削減目標
    • 2030年までに1990年と比べ68%削減
    • 2050年までに1990年と比べ80%削減
  • 産業業務部門において、2030年までに20%以上のエネルギー効率を改善するため、持続可能なバイオマスなど低炭素燃料への転換を行う。
  • ほぼすべての乗用車や小型トラックをゼロエミッションにする。
  • 森林面積率を9.8%から11%に増加させるため、森林面積を現在より18万ha増やす。

ドイツ

  • 温室効果ガスの削減目標
    • 2030年までに1990年比と比べ55%削減
    • 2050年までに1990年と比べ80~95%削減
  • 効率的にエネルギーを利用し、大幅に削減されたエネルギーは再生可能エネルギーでまかなう。
  • 電気自動車、燃料電池自動車、航空分野でのバイオ燃料利用、移動の自動化を行い、交通システムをほぼ脱炭素化する。
  • 税金や補助金制度を見直し、投資インセンティブの付与などを行う。

フランス

  • 温室効果ガスの削減目標
    • 2030年までに1990年と比べ40%削減
    • 2050年までに1990年と比べ75%削減
  • 全ての建物を「省エネ建築」規格に適合できるよう改修を実施する。
  • 製品単位のエネルギー・素材需要を抑制するため、リサイクルや再利用を促し、エネルギー代替やCCS技術の開発と普及に努める。
  • 部門横断的な国の政策として、炭素価格の段階的引き上げ、カーボンフットプリント、イノベーション、都市開発、資金調達などを推し進める。

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脱炭素化に向けて各国がさまざまな目標を掲げています。

実際にその目標を実現するためには、具体的にどのようなことに取り組めば良いのでしょうか?

脱炭素社会が実現するよう、積極的に行っていきたい事柄を紹介します。

再生可能エネルギー・自然エネルギーへの切り替え

脱炭素化の中でも重要視されているのが、エネルギー源の見直しです。

国内の一次エネルギー供給の割合を見てみると、2018年度時点では石油が最も多く、全体の3割以上を占めています。

これを太陽光発電や水力発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーや自然エネルギーへと切り替えていくことで、炭素の排出が大幅に改善されるでしょう。

日本はエネルギー資源の乏しい国のため、輸入が主となっている化石エネルギーに頼るのは経済面でも不安が残ります。

エネルギーを自給自足できるようになることは、環境面以外にもメリットが大きいので、エネルギーの切り替えを積極的に推し進めていく必要があるでしょう。

【関連記事】再生可能エネルギーにはどんな種類があるの?それぞれの特徴を知ろう

最先端の技術を開発し実用化と普及を進める

脱炭素社会の実現には、革新的な技術の開発や実用化、そして普及が必要不可欠でしょう。

たとえば二酸化炭素の排出を減らせるエコカーは、2009年度の国内普及率は11%でした。

それが2017年度には36.7%まで伸ばすことに成功しています。

これは国による給付金や、減税などの政策が施行されたことも大きいでしょう。

このように、脱炭素化に向けた新しい製品を誕生させても、実用化し普及しなければ意味がありません。

他にも太陽電池やカーボンリサイクルなど注目の技術が多数あるので、積極的に広めていく必要があるでしょう。

【関連記事】エコカーとは?種類などの基礎知識から、減税や補助金まで解説

継続的な改善ができるシステムの導入

脱炭素化は一時的な政策だけでは実現しません。

日本が掲げる、「2050年までにカーボンニュートラル」を目指すため必須となるのは、継続的な改善ができるシステムの導入でしょう。

炭素の削減に努めている企業などにインセンティブを与えたり、企業間で競争ができる仕組みを作り、続けていくことで脱炭素化が加速します。

より多くの人が、「炭素の削減をしたい」と思えるシステムを導入し、目標に向けて続けていく必要があるでしょう。

【関連記事】カーボンプライシングとは?メリット・デメリットや世界・日本での導入の現状をわかりやすく解説

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脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減は、国や企業だけがやるものと思っていませんか?

身近なところにも貢献できるポイントはたくさんあり、個人で取り組むことも可能です。

そのなかのひとつが、再生可能エネルギーを使用した電力会社へ切り替えることでしょう。

電気は日々使用するものなので、再生可能エネルギーを積極的に扱っている電力会社に切り替えることで、個人でも脱炭素化に貢献できるのです。

そこでおすすめしたいのが、国内トップクラスのバイオマス発電事業者『イーレックス』グループの一員である、『エバーグリーン』です。

ここでは『エバーグリーン』の魅力をご紹介します。

エバーグリーンの電気は実質再エネ100%

エバーグリーンの親会社「イーレックス」では、再生可能エネルギーであるバイオマス発電を行っています。

バイオマス発電は、燃料燃焼の際に二酸化炭素の発生がありますが、これは植物などの成長過程で大気中から吸収したものなので、総合的な二酸化炭素の増減は±0となります。

これはまさにカーボンニュートラルの考え方で、脱炭素化に大きく貢献します。

また、エバーグリーンでは、実質再エネ100%の「CO₂フリー電気」をすべてのお客さまにお届けしています。

エバーグリーンの電気に切り替えることで、ご家庭の電力使用によるCO₂排出量がゼロになります。

エバーグリーンへの切り替えで削減できる年間CO₂排出量は、一般的な家庭で1,562kg-CO₂です。

これは杉の木約112本が1年間に吸収する量に相当します。

※ 300kWh/月×12か月×0.434kg-CO₂/kWh(令和3年度全国平均係数)より算出
※ 杉の木一本当たりの年間吸収量14kg-CO₂/年と想定(環境省資料より)

2019年度に家庭から出た二酸化炭素のうち、電気から排出された量は全体の45.1%もの割合を占めています。

つまり半分近くの二酸化炭素が電気を使うことで出ていることになるのです。

二酸化炭素の排出量が実質ゼロになるエバーグリーンの電気を選べば、ご家庭でも地球温暖化防止に大きく貢献できるでしょう。

エバーグリーンのホームページはこちら >>

脱炭素化を実現するため、私たちもできることから取り組もう!

脱炭素化は、地球環境を守るために必要不可欠です。脱炭素社会の実現に向け、世界各国それぞれが目標を掲げて取り組んでいます。

もちろん日本も再生可能エネルギーへ積極的に切り替えたり、炭素の削減ができるイノベーションに力を入れたりと、2050年のカーボンニュートラルに向けて励んでいるところです。

いち早く目標を実現するためにも、個人でもできることを探し、些細なことでも取り組んでみましょう。

エレビスタ株式会社が運営する「太陽光発電メリットとデメリット」でもエバーグリーンの「CO₂フリープラン」は紹介されています。

▷エバーグリーン電気でCO₂排出を実質ゼロに!選べる料金プランやメリット・デメリットを解説

(出典)

エバーグリーンは
環境に配慮した電気を
供給することで
皆さまの暮らしを支えます

  • Point
    1

    CO₂排出量が実質ゼロの電気

    実は、家庭から排出されるCO₂の約半数は電気の使用によるもの。エバーグリーンの電気をご利用いただくと、これを実質ゼロに抑えることができます!

  • Point
    2

    安心・安全の供給体制

    エバーグリーンは、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるイーレックスと、東京電力エナジーパトナーの共同出資により創設した企業です!

  • Point
    3

    充実のサポート体制

    電気のトラブル時に迅速に駆け付ける「でんきレスキュー」 サービスなど、万が一の際もご安心いただけるサポート体制を整えています。

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